10年余の歳月を要した大作
こんにちは!!
今回紹介するのは、誠文堂新光社【出版】、呉清源・瀬越憲作【著】
「手筋事典 中巻」です。
前作の上巻を刊行したところ、各方面より多大の好評を寄せられたらしいです。さすが10年余の歳月を要したものだけありますね。
ちなみに本シリーズは1971年刊の「手筋事典」上・下巻を上・中・下巻に分けて再編集したものになります。
ちなみに旧版については私は購入する予定はありません・・・。
手筋の勉強を積み重ねていると、だんだん実戦対局で勉強した手筋を見つけることができるようになります。
まさに強くなった瞬間ですが、さらに進むと当たり前にように手筋を打てるようになります。
この「当たり前に使える」状態になることが非常に重要で、いちいち考えている段階ではまだ本物ではありません。
目次
- ワリコミの手筋
- キリの手筋
- ハネとオサエの手筋
- コスミの手筋
- コスミツケの手筋
- サガリの手筋
内容紹介
↑「キリの部」で、白先になります。
一見繋がっているように見え、アマ有段者でも見逃してしまうことが多いのではないでしょうか?
実は連絡が不完全な形であり、手筋を放つことで切断することができます。
↑白1のハネダシは黒2が先手になり黒4まで何事も起きません。
このあと白1の一路右から動き出して、無理やり中央に飛んでいる黒1子を切り離す手があるにはあるのですが、モノが小さいですし先に損をするので現実的ではありません。
↑正解は白1のキリです。
次に白Aがありますので黒2は仕方なく、白3で黒を分断することができました。
失敗図との差は歴然で、これだけで碁の勝敗が入れ替わりますね。
手筋を味方につけることが、碁に勝つことに必須であるということを覚えていてください。
何度も繰り返し解こう
本シリーズは上中下巻合わせて約1000問もあります。
これらを何度も繰り返し解くのは非常に労力がかかり苦しい作業になるでしょう。
しかし県代表以上を目指すなら、この手の苦行は必ずどこかで経験しなければいけないと思います。
私も一日50問解いて頑張っていた時期がありましたが、メキメキと棋力が上がっていきました。
アマ高段以上から棋力を上げるには並大抵の努力ではなかなか叶いません。
ただ本書は問題に難易度がつけられていますので、簡単な問題だけを解くなど工夫すればアマ初段ぐらいの人でも活用できます。
まとめ
対象棋力:5段以上
評価:S