囲碁界の秘話・面白話
こんにちは!!
今回紹介するのは、文春文庫【出版】、秋山賢治司【著】
「囲碁とっておきの話」です。
行きつけの碁会所で、ふとこの本に目が止まり貸してもらって読んだところ、とても面白かったので紹介します。
囲碁界は盤上だけでなく盤外にも話題が豊富です。
変人が多いからですかね?(笑)
・囲碁を打つ人は変人が多い??
目次
- Ⅰ対局すると何かが起こる
- Ⅱ碁盤をはさんで棋士がいる
- Ⅲ碁界あれこれ
本書は囲碁界で起きた秘話・面白話を集めたものになります。
碁界の名ライバル
例えばライバル関係についての話。プロの「木谷実・呉清源」、「藤沢秀行・坂田栄男」や「小林光一・武宮正樹」、「趙治勲・小林光一」、「大竹英雄・林海峰」などからアマ4強の「菊池康郎・村上文祥」などの組み合わせがありました。
同じライバルでも、盤を離れれば仲がいい関係や、盤外でもウマが合わない関係と様々です。
小林光一先生と武宮先生のあるタイトル戦での局後の検討の話です。
白番の小林先生が勝ちました。
↑武宮先生はこの局面を「ここでは(黒が)全然いいでしょう」といいますが、次に小林先生が「どっちが?」と返しました。
黒が断然いいという武宮先生にこの切り替えし。
当時のプロの評価では黒よしで、小林先生も白がややつらいと感じてたはずらしいですが意地があったみたいです。
武宮先生は「え」と驚き瞬間的に顔が真っ赤になり、石を片付けた。
そしてひとこと。
「不愉快だ」
わずか一分の最短の検討だったらしいです。
この後小林先生は名人・棋聖と立て続けにビックタイトルをとりますが、武宮先生は「あんな碁が名人・棋聖というのはおかしい」と公言してはばからなかったとかなんとか(笑)
若いものとは鍛え方が違う
もう一つ私の印象に残った話を。
アマ4強(菊池康郎さん、平田博則さん、村上文祥さん、原田実さん)が30年以上アマタイトルをたらい回しにしてた時の話です。
下の世代から三浦浩さん、中園清三さん、今村文明さん達が出てきましたが、なかなか4強を抜けない。
なぜ4強の天下が続くのか、菊池さんも村上さんも言う事が同じでした。
「若いものとは鍛え方が違う」
以下引用になります。
4強の面々が碁に熱中した十代のころは、戦後間もなくで、棋書はほとんどなかった。
だから定石一つとっても、なぜそうなるのか、自分の頭で理解するしかなかった。
ところが現在はたくさんの棋書が出回っていて、至れり尽くせりの解説がされている。
それはいいのだが、ともするとつきつめて考えることなく、定石や布石を単なる知識として頭の中に入れてしまう。
自分の頭で理解するか、単なる知識で終わるのか・・・この差が大きいのである。
これには私もなかなか考えさせられました。
たしかに棋書による恩恵は大きいのですがそういう弊害もあるのですね。
棋書紹介をしているブログを書いているような私ですが気を付けたいものです。
※しかしアマトップレベルの話なのでほとんどのアマは関係ないかと思われます。
上記の中園さんたちの時代に比べて、今現在はさらに棋書が豊富にあります。
時代に恵まれていることも感じました。
囲碁界通になろう
こういった裏話などに詳しい人は、囲碁界通と言ってもいいかもしれません。
意外と上達のヒントもあるかもしれませんので、興味がある人は是非読んでください!
まとめ
対象棋力:全棋力
評価:A