中国古典の名著
こんにちは!!
今回紹介するのは、山海堂【出版】、橋本宇太郎【著】
「官子譜」です。
Wikipediaより引用
官子譜(かんずふ、官子谱)は、中国の詰碁(珍瓏)を集めた棋書。明の時代の過百齢によって著され、清の時代に陶式玉の編注、改訂により現在の形となった。
終盤の死活や攻め合いなどの問題を集めたもので、詰碁の二大名著として「玄玄碁経」と並べられるが、手筋の網羅性は「官子譜」が上回っている。
官子譜の原本は約1500題の問題がありますが、同じ筋などの問題を省くなどして本書では300題程度になっております。
また官子はヨセの意味を持つらしいです。玄玄碁経と比較して手筋やヨセの問題が数多くあります。
目次
- 死活の部
- 手どころの部
- ヨセの部
本書の特色としてヨセや手筋の問題では現在の考え方と違う所があります。
例えばヨセの問題でいえば、官子譜では後手でも部分的に最善の筋が正解であるのに対し、現在の考えでは数目の得よりも先手後手に神経を使うことが多いです。
内容紹介
↑死活の部から。
易しめの部類なのですが、白先で手があるでしょうか?
↑常識的に白1と真ん中の一眼を潰せば、黒2もしくは黒Aで上辺に一眼できます。
さて参ったかのように見えますが・・・?
↑白1という妙手がありました!!
以下黒4までは仕方なくコウに持ち込むことができます。
初めて見た人もいると思いますが、詰碁ではよくある筋です。
↑死活の部からもう一題。
これはやや難しめでしょうか。
白先生きなのですが、黒の薄みを突いていくしか活路はないです。
↑白1と打つのは黒2と受けられ味がなくなってしまいます。
↑白1が正解なのですが、第一着は読みと言うよりも感覚で見つける問題でしょう。
後は読めなくても、まずここに着目できればいい感覚をしています。
変化はたくさんあるのですが、黒2と抵抗してきて、白を生かさないために黒6は必然です。
しかし白7と切ってタダ事ではありません。
↑白5でAと打つのが手っ取り早い(白取り番のコウ)のですが、この手順でも生きることができます。
結構難しい
私が解いた感覚では難しめの問題が多い印象です。
また他の古典詰碁にも言えるのですが、紙面の都合で詳しい解説は省かれています。
よって自分で研究できる根性のある人かそれなりの棋力の持ち主でないと大変でしょう。
とはいえ比較的実戦形の詰碁でもあり、読みの訓練には良書だと思います。
同じ古典詰碁でも
・「碁経衆妙」
・「玄玄碁経」
などを一通り読み終えてから取りかかるのをオススメします。
まとめ
対象棋力:5段以上
評価:S