序盤の問題集
こんにちは!!
今回紹介するのは、東京創元社【出版】、徐奉洙【著】
「強くなる序盤の形 下」です。
・「強くなる序盤の形 上」
前作に続く序盤の棋書です。
実戦によく出現する序盤の局面を問題として出題しています。
アマの方から「そういう本を勉強しても、全く同じ局面にならない限り役に立たないのでは?」と質問されたことがあります。
詰碁についても同じ疑問を持っている人も多いはずです。
結論から述べると、実際はかなり役に立ちます。
問題図とまったく同じ局面に実際遭遇することはあまりないのですが、考え方が応用できるのです。
似たような局面というのはかなりありますよ。
本書も実戦に応用できる問題が数多くあります。
目次
- 第3章:実戦 次の一手
内容紹介
↑黒番の問題ですが、A~Dのどこに打ちますか?
構想力が試されるような問題です。
碁盤全体をよく見れば正解手が思い浮かぶかもしれません。
黒1が正解で黒3と上辺から中央にかけての模様で勝負します。
黒1自体は目に見える実利がないので、なかなか打てない人も多いでしょう。
実利派の私もなかなかこのような手を打てないという弱点があります。
第一感で打てるようになるというのは相当な棋力の持ち主でしょう。
黒1は部分的には大きい手ですが、白2と先に安定されるとコミの負担が大きくなりそうなゆっくりとした碁形になります。
この碁は右辺白にどれだけ圧力をかけることができるかが重要なのですね。
右辺白が安定すると上辺黒模様に打ち込まれる心配も発生している点も見逃せません。
右下黒の厚みも発展性がなくなっていますしね。
黒1は同じオサエでも3図に大きく劣ります。やはり白2と安定されます。
黒3に白4とガッチリ守って、やはり全局的に黒の厚みが働きにくい形です。
大ゴミ時代の今は黒は積極的に打たないとなかなか勝たせて貰えないのですよね・・・。
感覚力を鍛えられる
序盤戦での優れた感覚を養成するのに、ピッタリな問題が多いです。
複雑な局面は少なく、級位者の方でも読みやすいと思います。
様々なパターンの布石の急所を覚えてしまえば、驚くほど勝率が上がっていきます。
布石の勉強は詰碁や定石を覚えるのに比べて負担が少なく、なおかつ即効性が高いという特徴があります。
私も布石の勉強に初めて取りかかったときは、急激に碁が上達した記憶があります。
何度も繰り返し解いて身体に染み込ませてしまいましょう。
まとめ
対象棋力:5級以上
評価:A