わかりやすい布石で気持ちよく打つ
こんにちは!!
今回紹介するのは、マイナビ【出版】、小林覚【著】
「決め打ちで勝つ簡明布石」です。
布石ってむずかしいですよね?
私も布石段階で碁を苦しくしたり、ひどい時には負け確定まであります。
中盤やヨセに自信はあるけど、布石で遅れてしまい実力を発揮できないという人も結構いると思います。
また布石段階でツブレて碁が楽しめない人もいるでしょう。
本書ではそのような人の為に、難しい戦いにならない「簡明な布石」を学ぶことができます。
本書のまえがきより引用。
難しい定石や難解な作戦を避けても、囲碁の魅力はまったく減ることはありません。
逆に中盤や終盤の楽しさを体験できる機会が増えるので、囲碁がもっと楽しくなると思います。
目次
- 序章:わかりやすく打つ8つのポイント
- 第1章:二連星・三連星の打ち方
- 第2章:中国流への白の簡明策
- 第3章:ミニ中国流への白の簡明策
- 第4章:小目からのシマリへの白の簡明策
- 第5章:小林流への白の簡明策
- 第6章:白が簡明に小目に打つ方法
- 第7章:白に小目に打たれた場合の黒の簡明策
- 第8章:置き碁の考え方
内容紹介
序章のわかりやすく打つ8つのポイントとして下記が挙げられています。
- ①アキ隅は星に構える
- ②星へのカカリには小ゲイマに受ける
- ③カカリに相手が受けたら二間ビラキで十分
- ④カカリに相手がハサんできたら三々へ入る
- ⑤ハサまれて嫌な場合はカカらずワリウチ
- ⑥相手の強い石には近づかない
- ⑦二間ビラキは、両側から圧力をかけられたら補強する
- ⑧素直な手を心がける
↑黒の大模様作戦ですが、白が簡明に打つとしたらどうしますか?
↑白1のカカリは素直な手でよく打たれます。
そして黒8まで定石で、これもよく打たれる布石。
しかし黒模様が大きくなり簡明な進行とはいえず、右上も同じ進行になると、いよいよ消し方が難しくなります。
「よほど実利好きでない限りは避けた方がいい」と書いていますが、実利好きな私でもこれは嫌です(笑)
↑とはいえ白3から正面切って戦うのは相手の勢力圏なので苦戦は必須です。
↑そこで本書のオススメは白1となっております。
黒模様の拡大を防ぎながら左下の黒を攻める体制です。
↑黒2と戦いを挑んでも今度は白も十分な体制です。
白9まで黒と一緒に逃げる形で不満はありません。
白の飛ぶ手が黒模様を自然と消しているのも嬉しいですね。
↑黒2から4までオサマってくれば白も5までくつろぎます。
黒は普通の定石に比べて少し窮屈ですね。白満足の結果です。
↑本書では触れていないのですが、実は白1から5はこの場合有力な打ち方です。
↑黒12まで定石ですが、黒Aの石が効率の悪い所にあるのが、白の自慢です。
↑前図は黒が不満なので、出切ってくるかもしれません。
これも白のやれる戦いなのですが、簡明とは言えないかもしれませんね。
過信は禁物
本書は「簡明に打つ」というテーマで構成されています。
有力な図もある一方、プロレベルでは「妥協」「甘い」と言われる手もあるので、過信するのはあまりオススメはしません。
上記で挙げた8つのポイントの①②③④の項目は碁の幅を狭める副作用もあるので、ご注意ください。
とはいえ、「簡明に打つ」というのは囲碁では重要なテクニックの一つなので十分参考になると思います。
また白の立場の問題が多く、白番が苦手な人には嬉しい内容です。
まとめ
対象棋力:5級以上
評価:B