中盤力はとても大切な分野
中盤の力って囲碁で勝つために必要不可欠ですね。
ほとんどのアマは中盤で勝負が決まると言われています。
布石で多少リードしても中盤力に差があるとあっという間に逆転されますし。
終盤のヨセに自信があっても中盤で再起不可能なほど大差になれば、それを発揮する機会はないでしょう。
当然中盤力を強くすることは、すぐに囲碁の勝率アップにつながります。
そもそも中盤力とは?
囲碁における「中盤力」とはなんでしょうか?
一般的なイメージとしては、殴り合いの戦いになった時に必要な腕力でしょうか。
もちろん中盤戦における腕力は非常に重要ではあるのですが、それだけではありません。
↓わかりやすく説明するために、ここでは中盤力を以下の4つの力の総合と定義します。
- 腕力
中盤における殴り合いが始まった時はこの力がモノを言います。
いわゆる「ヨミの力」ですね。この力をつけるためには、詰碁や手筋を解いていく方法が一般的です。
たまに勘違いしている人がいるので少し説明をします。
碁会所とかで下手相手にブイブイ言わせている筋悪で力碁の人がいますが、それを腕力があるとは言いません。
そういう人が中盤が強く見えるのは、無理手やウソ手を下手側が咎めきれていないからです。
基礎ができている強い人にはそれは通用しないのです。 - 感覚力
中盤における感覚力とは例えば、模様のまとめ方・荒らし方がうまいとか、優勢な碁をしっかりと勝ちに持っていく・劣勢な碁は難しく打ち相手に決定打を与えない、この力がある人は攻めるべきか守るべきかの判断も優れています。
「構想力」「判断力」「大局観」とも言えます。
中盤において最も重要な部分だと私は思っています。
感覚力をつけるには、棋譜並べや上手と打碁の検討・研究をこなすのがいいと思います。 - 知識力
中盤には「中盤の定石」と呼ばれる型が多くあります。
これらは最初から知っていることが大事で、対局する度に一から考えていては体力と時間が持ちません(笑)
↑上の二つの図は、中盤でよく出てくる手なのですが、ここでいう「中盤の定石」で別名「定石の後の定石」とも言われています。
他にもたくさんの型があります。
これらはシステム布石や基本定石の後によく出てきます。つまりは実戦に出てくる確率が高いのです。
中盤の定石の、「どういう狙いや意図か」「相手の応手や反撃に対する対策」「有力になる配石などの条件」等を事前にしっかりと身につけておくことは大きな武器になるでしょう。
知識力をつけるためには、それを扱った棋書や情報を読みこんだり集めたりします。
それらに詳しい上手に教えてもらう手もあるでしょう。
また勉強した分しっかりと結果に出やすい性質もあります。 - ヨセ力
ヨセって終盤の話じゃないの?と思うかもしれませんが、ここでいうヨセ力とは主に大ヨセのことです。
碁によっては中盤からヨセ合いの勝負になることも多く、その場合に必要な中盤力はヨセ力(大ヨセ)になります。
戦いの中盤は得意だけど、囲い合いの中盤になった途端迷える子羊になってしまう人も少なからずいます(笑)
大ヨセの勉強をしっかりしていればある程度迷うことなく打ち進めることができるでしょう。
ヨセ力をつけるには、アマなら大ヨセ関係の棋書をしっかりと勉強すれば十分でしょう。
自分の中盤力を分析しよう!
中盤を強くしたい!という人は多いですが、いざ勉強しようとしても、いまいち何をしたらいいのかわからない人も多いかもしれません。
そのときは「自分の中盤に今足りないものは上記の4つの力のうちどれか」を自己分析して、一つに絞って重点的に勉強するのが有効だと思います。
一番力がつきにくいは「感覚力」で、一生懸命勉強してもなかなか目に見えて結果は出てこないでしょう。
しかし中盤力で最も重要であるのですぐに結果がでなくても鍛錬を怠らない方が賢明です。
当然効果が出てきたときの威力も凄まじく、中盤力というよりはもはや棋力全体が上がることと同意義ですから・・・。
次に「腕力」でしょうか。棋力が低いうちはやればやるほど伸びるのですが、アマ高段者以上になるとなかなか上達を実感しづらくなります(笑)
「知識力」と「ヨセ力」は非常に即効性が高いです。
勉強したその日から実戦で使えますしね。
ちなみに当ブログでの棋書紹介の中盤は、「知識力」を扱った棋書が大半です。
偏らないように
中盤力とは上記4つの総合力なので、どれか一つでも疎かにすると上達が鈍ってくるでしょう。
得意分野を伸ばす前にまずは苦手分野を潰すことを優先した方が結果が出てきやすいと思います。