程良い難易度の詰碁集
こんにちは!!
今回紹介するのは、金園社【出版】、橋本宇太郎【著】
「詰碁歳時記」です。
自分に相性のいい詰碁の形ってありますよね。
自分は実戦に出てくるような形がシンプルで自然形の詰碁が好きです。
そのような詰碁を作るプロとしては、前田陳爾先生、呉清源先生、そして今回紹介する橋本宇太郎先生などが代表格です。
最近では石榑郁郎先生も挙げられます。
本書は、同著でどれも名作である下記の三冊と共にアマチュア有段者向けの程良い難易度の詰碁集です。
橋本先生は、読売新聞に十年来アマ向けのレベルで毎日詰碁を出しており、本書はその一部をまとめたものになります。
目次
章の名称が、「1月」、「2月」、「3月」・・・「12月」と、一年を意識した構成で、問題数も一年の日数と同じ365問となっております。
なかなか風流な目次で、最近の棋書ではあまり見かけない表現ですね。
内容紹介
↑黒先生きの問題です。
実戦に出てくる形とは言えないですが、筋は綺麗です。
どう打っても生きと誤った判断をしないように。
↑黒1と白石を取りに行くと、白2の好手で白4まで黒は死形です。
黒1で3に打っても白2で死にます。
ここから急所らしき場所が浮かんできました。
↑黒1が急所でした。
白2くらいですが、黒3で生きることができます。
ちなみに白2で3は黒2で何事もなし。
↑黒先コウです。
先ほどの門愛と問題と違っていかにも実戦形の問題ですね。
↑黒1のハネは白2と受けられ生きられます。
ここでも失敗図から急所が見えてきましたね。
「敵の急所は我が急所」は詰碁では頻繁に出現します。
↑ということでやはり黒1が急所で正解!
渡られてはいけないのですが、↑黒1に白2の受けなら、黒3・5がコウに持ち込む手筋です。
白2でAと受ければ黒2に放り込んで、これもコウに持ち込めます。
実戦形が多く、実力養成にピッタリ
高段を目指す人や、それ以上のレベルを狙う人にピッタリな詰碁集です。
基本手筋の宝庫でもありますので、何度も読めば棋力向上間違いなしでしょう。
実際私も本書を相当やり込みましたからね。
一日50問ペース(多いときは200問くらい)で毎日せっせと解いていました。
そこまで難易度は高くないので、答えを覚えていくと驚くほど短期間で周回できますよ。
私が県代表になるために本書は間違いなく一役買っていると自信を持って言えます!
まとめ
対象棋力:3段以上
評価:S