隅の攻防についてまとめた一冊
こんにちは!!
今回紹介するのは、棋苑図書【出版】、韓国棋院【著】
「三々打ち込み辞典」です。
皆さんは隅を巡る攻防は得意ですか?
隅は魔界のようなもので、様々な変化が潜んでいます。
その主たる舞台が三々を巡る攻防でしょう。
本書より引用。
三々打ち込み後の攻防をマスターした人は仮に布石やヨセが少し弱くても碁が弱いとは言われません。
三々周辺は例えるなら地雷がばら撒かれているような空間です。
その危険地帯を上手く渡り歩くためには相当な勉強が必要ですが、有段・高段になるためには必ず通過しなければいけないでしょう。
本書では、そんな三々周辺を巡る攻防を解説しています。
目次
- 第1章:三々打ち込みの基本45型
- 第2章:三々をめぐる攻防20題
- 第3章:三々打ち込み後の死活20題
内容紹介
↑本書の目玉の内容である、第1章の星の分野から一部を選出しました。
星に三々はセットのようなものです。
たくさんの変化がありますがそれだけに身についた時の恩恵も大きいです。
死なない石が死んだり、手がないはずの所を荒らされる現象は、この分野の勉強が足りないからこそ起きるのです。
- 「黒は先手を取りたい」:二段バネの定石は隅の地を取るワカレだけではありません。
このような配石の時に先手で壁を作るときに用いられたりします。 - 「一間ジマリの攻防」:一間ジマリに単独で三々に入った後の攻防は知っていますか?
基本的に無条件で生きることができます。 - 「周囲の敵に援軍あり」:3手かけたこの構えは堅牢でほぼ確定地なのですが、周囲に敵の石が来ると厄介なことになります。
- 「鈍感な両ゲイマの陣」:昔は愚形といわれたこの構えですが、最近では囲碁AIが打つようになり見直されています。
相当味の悪い形ですが、部分的には白は生きることができない形です。 - 「相手が強い場合」:コスミツケ一本では隅は黒地ではありません。
この場合白が強いのでどう対応するのが最善でしょうか? - 「武宮正樹の中央コスミ」:一時期流行った三連星絡みの型になります。
↑三々は星だけではありません。
小目の場合も急所となる場合が多いのです。
私もまだ弱い頃は、小目からシマればすべて地だと考えていた時がありました(笑)
小目の三々の攻防を正しく対応できる人は、相当な棋力の持ち主と言えるでしょう。
「ケイマジマリも100%地ではない」:こんな固い黒の構えも周りに白石がくれば手が生じます。
ここを黒地と認めてはいけません。
「一間ジマリの急所も三々」:一間ジマリのひとつの急所として三々が有力です。
この石を直接生きるわけではなく、捨石として利かすことがメインとなります。
「弱点の多いオオゲイマ」:なにかと弱点の多いオオゲイマジマリです。
その分地になった時は大きいです。
「手順の妙」:有名な荒し方です。
白1から3の手順は定石みたいなものとなります。
即戦力級の一冊
本書のどの型も、すぐに実戦に出てくるようなものばかりです。
もし三々を巡る攻防でいつも失敗している人がいましたら、すぐに本書を読んで勉強しましょう!
きっとあなたが知りたかった事が書かれているはずです。
まとめ
対象棋力:初段以上
評価:A