ミニ中国流の初期の型を徹底解明
こんにちは!!
今回紹介するのは、誠文堂新光社【出版】、江鋳久・芮廼偉【著】
「囲碁 世界のミニ中国流研究」です。
ミニ中国流は、現在でもプロアマ問わず大人気の布石です。
この布石が出てきたのが1990年代で日本で流行し、その後韓国や中国でさらに研究されるようになりました。
もう30年近く使われている布石なのですね。
さてこのミニ中国流なのですが、韓国では序盤50手ほどを徹底的に研究されました。
そして大変有力な布石という結論に達し、基本型の変化や、ミニ中国流を回避する研究も進みました。
本書ではそのミニ中国流研究の最前線を紹介したものになります。
「最前線」とはいっても本書が発行されたのは2001年なので、2017年現在のミニ中国流の最新研究ではありません。
「ミニ中国流が生まれてから大流行するまでの時代」の型を徹底的に解説しています。
古い型ではあるのですが、現在のミニ中国流はこの時代の研究の上に成り立っていると言え、本当の意味でミニ中国流を理解するうえでも、本書は大変役立ちます。
また現在で打たれる型も少なくありません。
かなり完成度が高く、アマ高段以上ではないとなかなか活用するのは難しいレベルです。
目次
- 第1型:ハイコミ後の攻防
- 第2型:押し上げ後の攻防
- 第3型:中国定石
- 第4型:韓国定石
- 第5型:韓国定石後の布石研究Ⅰ
- 第6型:韓国定石後の布石研究Ⅱ
- 第7型:押え込み後の攻防
- 第8型:日本定石
- 第9型:肩連打・フクレの攻防
- 第10型:肩連打・押し上げの攻防
- 第11型:ハイは悪手
- 第12型:押し上げ対策
- 第13型:過激な未完型
- 第14型:変則割り打ち
- 第15型:ミニ中国流封じ
内容紹介
- 第4型:ミニ中国流で最初に流行った型の一つですね。
黒地が大きく見えますがいろいろ味があってそこまででもないのです。
実際プロの間でも当初は黒よしでしたが、その後白に不満なしまで評価が変わりました。 - 第8型:日本発祥の定石ですが、現在では白よしとなっており打たれなくなりました。
白10が絶好点で下辺黒に隙があるのがその理由です。 - 第9型:これも一時期流行りましたね。
私もこればっかり打っていた時がありました(笑) - 第14型:白1と変則的に割り打って来た場合は黒2から詰めるのが有力です。
白7からの攻防が重要になってきます。
ミニ中国流を得意布石に
ミニ中国流について非常に詳しく解説しており、特にミニ中国流を得意布石にしたい人にオススメします。
プロレベルの内容で量も多いので、覚悟のある方のみお読みください(笑)
私も本書で学んだことを全国大会で試したりもしました。
ここまで密度の高い布石本もなかなかないでしょうね。
まとめ
対象棋力:5段以上
評価:S