天頂の囲碁7が遂に登場
先日、遂に「天頂の囲碁7」が発売されることが発表されました!!
天頂の囲碁シリーズとは、国産囲碁AIの「DeepZenGo」を製品化したものを指します。
前作「天頂の囲碁6」では、あのAlphaGoで使用された「ディープラーニング」と言われる技法を取り入れ、従来の囲碁ソフトとは比較不能なほど強いことで話題になりました。
スペックの高いPCだと、東洋囲碁9段まで上がるという話を聞いたことがあります。
また県代表クラスが互先で負けることも珍しくありませんでした。
Zenの実績
前作が発売された後のZenは多くの棋戦に参加し、その強さを見せつけました。
以下一例です。
第2回囲碁電王戦
互先で二十五世本因坊治勲に挑み、1勝2敗。
内容では互角以上と言われました。
その後ネット碁kgsに出現し、一般アマも打つ機会が得られました。
アマトップやプロが二子置いて負かされるなど鬼のような強さを見せ、私も何度か打つ機会があり、三子置けば勝ち越しましたが二子では歯が立ちませんでした・・・。
ワールド碁チャンピオンシップ
囲碁AI代表として出場しました。
日本代表の井山裕太六冠に勝利を収めました。
また中国代表の芈昱廷九段、韓国代表の朴廷桓九段には破れたものの、内容的にはやはり互角以上でありました。
この時点で既に人類トップクラスの力がありました。
UEC杯コンピュータ囲碁大会
本大会では優勝候補の絶芸(中国の囲碁AIでAlphaGoに次ぐ実力と言われている。)に負け二位となりました。
続く電聖戦では日本のトッププロの一力遼七段に勝利を収めました。
中信証券杯 第1回 世界電脳囲碁オープン戦
中国で開催された囲碁AIの大会です。
全体のレベルが格段に高くなっていて、予選では優勝候補のZenと絶芸が台湾のCGIに敗れるという波乱も起きました。
しかし決勝トーナメントでZenは宿敵の絶芸と超新星のCGIを破り初代チャンピオンに輝きました。
人類トップ以上の力
終盤などにまだ弱点があると言われますが、その実力はもはや人類トップクラスと同格以上と言えるでしょう。
現在ではネット碁「幽玄の間」で、日本の若手プロを中心とした相手に連日対局を行っていますが、ほとんど負けなしです。
新作ソフトの強さ
気になる「天頂の囲碁7」の強さですが、前作ですら東洋囲碁9段になれているので、今作は少なくとも東洋囲碁9段を維持できるレベルと思っています。(もちろんPCのスペックにかなり影響を受けるでしょうが。)
これはアマトップ・プロレベルです。それ以上の強さの可能性も十分ありますので、今から楽しみでなりません。
2017/10/13追記
天頂の囲碁7の先行体験をしたプロのレポートが出てきています。
・大橋拓文六段(対囲碁AIのプロでもある)がTwitterで投稿。
以下引用
天頂7は練習相手に丁度良いかも(・ω・)/
今のところちゃんと読みを入れれば僕の方が少し分が良さそう。
またレポートします。
・また天頂の囲碁7の特設サイトより三村智保九段と白石のコメントがでました。
以下一部引用
三村智保九段
結論から言うと、私より強い事は間違いありません。
最強モードの「九段」に設定すると、互先で私が負けます。
布石も、僕ら日本の棋士の感覚に近い、違和感のないきれいな打ち筋です。
それでいつの間にか、こちらの形勢が悪くなってしまうのです。
普段の試合の様に、数時間の持時間を使うつもりで打って、それでも勝てるかどうか、と言う感じがします。
そして対局後の検討機能を使って、局面ごとのZENの形勢判断とオススメの手が見られるのが、とても勉強になります。
更に対局中「まった」機能を使って、選択しなかった別ルートの手順を色々試せるのが、プロにあるまじき行為ではありますが(笑)非常に楽しめます。
本当に素晴らしい物を作って頂きました。私にとって良い先生、練習相手になりそうです。
もちろん全てのアマチュアの皆さまにも、お勧めします。
白石勇一六段
この度家庭用として「天頂の囲碁7 Zen」が発売されますが、その強さもまた想像以上でした。
なんといっても、大局観が抜群です。打ち回しに無理が無く、要点を逃す事がありません。
大局観においては、もはや並のプロを超えたと言っても過言ではないでしょう。
ただし、弱点もあります。死活や攻め合いなどでミスが出ることがあり、これは考慮時間を5秒に設定すると顕著です。
大局観は時間無制限の九段モードと変わらないように感じますが、大きなミスが出る確率が変わってきます。
九段モードなら私も真剣に勝負しなければいけませんが、まだ可愛げがある印象です。
腕に覚えがある方も、挑戦する際は5秒モードの方が精神衛生上は良いでしょう。
時々はサービスしてくれます(笑)。
強いのは間違いなさそうですが、若干評価にズレがあると感じるのは気のせいでしょうか(笑)
やはり気になる・・・
・囲碁AIの進化による期待と不安
↑以前記事で書いたのですが、囲碁ソフトが強くなるとこういう不安も出てきます。
・囲碁AI「Leela」がすごい!!
↑無料配布されている「Leela」が強くなったことで、最近ネット碁やネット大会でソフト打ち疑惑の話がチラホラ出ていると聞きます。
アマの大会も早急に対策を打ち立ててほしいですね.。
まとめ
辛気臭い話も出ましたが、やはり囲碁ソフトの進化は囲碁が強くなりたいと願っている人には莫大な恩恵をもたらすでしょう。
今後、プロアマ問わず全体のレベルが高くなると予想します。
特にプロやアマトップに指導を受けることが難しい地方の人にとっては、ネット碁普及以来の大きな転換期になるのではないでしょうか。
これからは囲碁ソフトを利用した上達法も考えなくてはいけないですね!