前田詰碁集の最難関
こんにちは!!
今回紹介するのは、東京創元社【出版】、前田 陳爾【著】
「前田上級詰碁」です。
前田詰碁集の最難関レベルです。
とはいえ実戦形でやはり見た目はシンプルな問題が多いですね。
当然たくさんの巧妙な罠が仕掛けられており、一筋縄ではいきませんが。
上級編は1・2級から有段者向きとされています。
現在の基準だとアマ3・4段の力は欲しいかもしれません。
内容紹介
↑白先白生きです。
あまり選択肢もない問題ですので、やさしい部類だと思います。
解ければ初段といったところでしょうか。
実戦対局に出てきてもおかしくないような自然な形をしていますね。
↑適当に白1などと打ってしまうと黒2で頓死します。
白1は感覚で打ってしまいそうな手ですが、少し読めばダメであることはわかるでしょう。
↑白1と最大限にフトコロを広げるのは当然考えられる手です。
しかし黒2が好手でAとBのワタリを見合いとなり、この黒石が取れなければ白は三目ナカデとなり生きることができません。
黒2は棋力が低いうちは見逃しやすそうな手です。
↑白1は一見手筋風ですが、黒2がここでも好手で白3と打てば黒4でどうにもなりません。
頭の中で読むには少し複雑な失敗図です。
↑正解は白1のコスミです。
黒2と来ても白3で切断できています。
黒2で3ときても白2と受けて白1の一路上に一眼があり、これも白は生きています。
気づいた人もいるかもしれませんが、失敗図はすべて黒に白1の部分を打たれているのです。
「敵の急所は我が急所」の格言通りの問題でした。
名著として名高い
前田 陳爾先生の詰碁集は、基本どれも名作揃いなのですが、本シリーズは個人的にその中でも最高傑作と思っています。
元々名著として名高く絶版後は値段が非常に高騰した経緯がありました。
確か1万円を超えていたはずです。
その後復刻することで、再び定価で購入できるようになったのです。
何度も繰り返し解こう
上級編に限らず前田詰碁集は繰り返し解いて答えを覚えるくらいの勢いでやってもらいたいです。
それだけ基本&大事な筋ばかりですので、これらを習得すれば高段者になれると言っても過言ではありません。
自分もすでに10回近く周回しましたが、かなり力になりました。
難しい詰碁を1問解くよりも、本書のような詰碁を10問20問解いていく方が、自分含めてアマは強くなりやすいでしょう。
まとめ
対象棋力:3段以上
評価:S