秀策の棋譜は碁の基本が詰まっている!!
こんにちは!!
今回紹介するのは、誠文堂新光社【出版】、福井正明【著】
「完本本因坊秀策全集」です。
本作は全5巻編成です。
本因坊秀策といえば碁を打つ人なら一度は聞いたことがあると思います。
有名な囲碁マンガ「ヒカルの碁」の、主人公ヒカルに取り憑いた霊である藤原佐為のモデルとしても有名です。
碁については小林光一先生曰く、「一手一手が全局をとらえており、洗練され品格が高い。先を急がずゆったり打って薄くならない。位を高くして圧倒する。黒番だけでなく白番もうまい等々」と絶賛しています。
プロを目指す人の経典
囲碁のプロを目指す人はまず秀策を並べろ」がインターネットが発達していない時代では合言葉です。
あの呉清源先生も少年時代に秀策を何度も並べまくりました。
もちろん現在でも秀策の棋譜は是非一度は並べて欲しいほど価値のあるものです。
非常に地味な進行が多いので、並べるのが苦痛になるという人も多いのですが(笑)
基本を身につけるにはもってこいの教材なのです。
値段が高い
最大のネックは値段の高さ。
定価4万ということで当時キッズだった私は自力で買えませんでした。
結局、高校入学祝で祖父にねだって買ってもらいました(笑)
今では絶版?になってさらに高騰したとのこと。
最悪、棋譜だけなら無料でネットで手に入るので、解説なしではありますが並べることはできます。
ちなみに秀策全集は旧版だと漢数字表記らしいのでご注意を!
内容紹介
全5巻編成で468局の棋譜が収録されています。
また年代順に分けられていて、打掛・未完の棋譜も存在します。
↑黒△が有名な秀策のコスミです。秀策は今後この手が悪手になることはないと断言しましたが、その通りで今でもよく打たれています。
コミ制度になってから特にプロの碁では打たれる頻度はかなり減少するようになりました。
しかし人類を超えたAIが愛用するようになり、2019年8月現在ではプロアマ問わずこの秀策のコスミが再度流行っています(!)
秀策先生の先見の明には驚かされます。
↑この碁はある有名な一局ですが、黒の秀策が布石で失敗し苦しい場面。
ここで黒1と打った手が素晴らしい手と評判です。
慌てて先を急ぐのではなく、弱い石をしっかり連絡して手厚く打とうという意味です。
こういう所は絶対逃さないのが秀策で、碁が厚いと言われる所以ですね。
↑さらに進行した場面、白△に対して秀策が打った黒1があの有名な「耳赤の一手」です!!
分断されそうな下辺黒4子への応援、左辺白模様の拡大を防ぎ、Aの利きから上辺黒模様を拡大する一石三鳥の手です。
これで形勢を押し戻し、遂に黒2目勝ちとなりました。(なので黒1を誘発した白△が疑問手と言われています。)
まとめ
対象棋力:初段以上
評価:S