布石の勉強の種類
布石の勉強には二種類ある・・・、これは意外と知らない人が多い印象があります。
今回はこの二種類についてまとめてみました。
序盤感覚
序盤感覚とは、正しい石の方向や適切なヒラキ方、大場の大小の判断や急場を逃さない能力、勢力拡大や逆に相手の勢力牽制等の、テクニックや感覚と定義します。
序盤感覚を鍛えると、未知の布石に対しても自力で対応できるようになります。
この分野は理屈ではなく、感覚で覚えていく側面が強いのが特徴です。
システム布石
システム布石とは、三連星・中国流・ミニ中国流・小林流等のシステム化された布石と定義します。
この研究は主に知識の詰め込み作業になりやすいです。暗記科目的な。
決まった布石に特化しているため、使える範囲は限られていますが、その分ハマった時の威力は桁違いです。
どちらから先に勉強するか?
さてまず布石の勉強をするなら序盤感覚とシステム布石どちらがいいのかという疑問が出てきます。
結論から述べると、
私は先に序盤感覚の勉強を一通り身につけるべきだと思っています。
なぜなら上記の序盤感覚の内容が身についていない人がシステム布石の勉強をしてもあまり効果が出ないからです。
正しい感覚があってこそ、システム布石をより効率よくより正しく理解することができるようになります。
また実戦では自分が打ちたい布石には必ずしもなりません。
むしろ相手が嫌がって注文を外してくることも多いでしょう。
そうなると見慣れないもしくは未知の布石の世界に突入します。
こうなってくるとシステム布石の知識は役に立たなくなり、序盤感覚の力が試されてくる展開になるのです。
布石の勉強を開始する時期と方法
初段前後になったら序盤感覚の棋書を買って勉強を始めるのをオススメします。
詰碁や手筋と同じで何度も繰り返し解いて体に覚えさせましょう。
次にシステム布石の勉強についてですが、自分の得意な布石の型というのを作ることができるメリットがあります。
これを作っておくと碁が楽しくなりますし、簡単に勝率が上がります。
ちなみに上に行くほど「自分の型」というのは重要になってきますよ~。
また相手がシステム布石を使ってきた時にも自信をもって迎え撃つことができるようになるのも見逃せません。
というのは相手が知識不足だと一気に碁が終わるような恐ろしい型もあるのです。
当然本で勉強するだけなく実戦でも使って試すのも大事です。
例えば「これから三カ月間は黒番なら絶対三連星!」などが有力です。
白番布石は重要
システム布石はすべて黒番の立場での話なのですが、実戦は確率上半分は白番ですよね。
実はこの白番の布石の研究というのは、黒番の布石以上に大事になってきます。
黒番では序盤のミスはまだ挽回できるけど、白番でそれをやったら相当苦しくなるからです。
私も基本的には白番布石の勉強の方に重点を置いています。
最終的にはプロの棋譜を並べて勉強
あとプロの棋譜を並べるというのは、序盤感覚はもちろんシステム布石の両方の面を持っています。
布石・序盤関係の棋書を大方読み終えた後は、プロの棋譜を並べて布石の勉強をするのが一般的です
囲碁AIの活用
この記事を公開した当時(2016/12/15)ではまだ囲碁AIが一般人に普及していませんでした。
しかし現在(2019/08/31)では人間の棋力を大きく上回ったAIが無料で公開されています。
それに伴いプロアマ問わず、布石の勉強はAIを活用するようになりました。
私の囲碁の勉強ももはやAIなしは考えられないくらい浸透しました。
現在の布石の最新型はAIから生まれたモノばかりとなっているのが現状で、布石に関する本も必然的にAI流を取り扱っているものが増えていっています。
布石はAIが最も人間に差をつけている部分であり、これを活用しない手はありません。
本記事の「序盤感覚」「システム布石」のどちらもAIから学ぶことができます。
最後に
「序盤感覚」「システム布石」の二つを混同している人は残念ながら少なくないです。
布石が強くなりたい一心で「布石」や「序盤」という単語が付いた棋書を闇雲に購入して読んでも、自分が期待していた内容ではなかったり、上手く効果が出なかったりします。
このブログの棋書紹介のカテゴリーでも「序盤感覚」と「システム布石」に分けているのはそのためです。
中には線引きが曖昧なものもあるのですが、その辺は私の判断で区別しました。
本記事があなたの布石上達に役立てば嬉しいです。