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「呉清源 打碁全集」~昭和の碁聖

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囲碁に革命を起こした天才・呉清源

こんにちは!!今回紹介するのは、平凡社【出版】、呉清源【著】
「呉清源 打碁全集」全四巻です。
呉清源といえば、囲碁界の歴史を語る上では欠かせない大棋士です。
当時のトッププロをことごとく打ちこんだ十番碁で神がかった強さを見せるだけではなく、
木谷実先生と共同発表した「新布石」は囲碁の打ち方に革命をもたらしました。


↑これは隅を打つなら小目・目ハズシ・星・高目ばかりだった時代において、本因坊家では禁手とされていた三々や不敬とされている天元に打つ手法で、時の名人・本因坊秀哉に挑んだ有名な一局です。
新布石の影響により囲碁の打ち方はより幅広くなったと言われています。


↑星にカカったときに、黒3とケイマに受ける手は現在では最もよく打たれていますよね。
実は呉清源が頻繁に打ちだしてから広く認知されるようになったものなのです。
それ以前ではAのオオゲイマかBの一間高に受けるものとされていました。
余談ですがハメ手の本に星からオオゲイマに受けた型が多いのはその為です。


↑難解なことで有名な大ナダレ定石です。
それまでは黒13でAと外にマガルのが定石でしたが、黒13と内側にマガルのを呉清源が打ち出したことも有名です。
これによって一時期は大ナダレはナダレる側が悪いとされ打たれなくなりました。
今ではそれも見直され、内も外も打たれています。


↑一昔前の二間高バサミの定石ですが、長年白1には黒6までが定石とされていました。


↑黒4とアテる変化ですが・・・、


↑白5まで一本道ですが、従来は黒が愚形でよくないとされていました。
ところが白はDのノゾキから全体を攻められる不安や、
黒A・白B・黒Cと渡るのが地にカラく形もスマートということで、
一転黒が有利な評価になりました。
よって最初の図の白1は打たれなくなり、代わりに白3にコスミつける定石が誕生しました。
この型を呉清源はいち早く見抜き多用していました。
当時の対戦相手は白がいいと思っているので、毎回いつのまにか形勢が悪くなっていることを不思議に思っていたみたいです。
他にもコミなし黒番でマネ碁を初めて打ち、コミと言う制度を確立させるキッカケを作るなど話題性たっぷりの棋士でもあります。

本の内容

さて全集の中身の話ですが、全部で約800局収録されています。
あの小林光一や趙治勲などが修業時代に全集がボロボロになるまで並べた話はかなり有名です。
「完本本因坊秀策全集」
↑の秀策全集と並び、一昔前はプロを目指す人は必ず並べるべき聖典みたいな扱いでした。
また呉清自身も少年時代に秀策全集を何度も並べていて、呉清源全集の前半はまさに秀策のような堅実な打ち回しが見られます。
その後コミなし白番をこなすために、スピードの速い碁へとなりました。
囲碁というものに初めて「スピード」という感覚を導入したのは偉業だと思います。
他にも常識に囚われない自由奔放な打ち方で地にカライのも特徴です。

強くなりたい人には是非並べてもらいたい

私がまだ県代表になる前に、お世話になってる席亭(東洋囲碁9段格)に薦められて呉清源全集を並べ始めました。
なんでも席亭は碁の勉強はほとんど呉清源全集を並べただけとか。
自分は現在3周並べましたがその効果はしっかりあったと思います。
秀策全集を並び終えた人には、次に並べる棋譜集として本書を推薦しています。

まとめ

対象棋力初段以上
評価

-打碁・棋譜集, 棋書

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