すべての筋を含んだ前田詰碁集
こんにちは!!
今回紹介するのは、日本棋院【出版】、前田 陳爾【著】
「右脳を刺激する 痛快詰碁傑作選」です。
定評のある前田 陳爾先生の詰碁ですが、本書では百十六題を精選して出題しています。
はしがきにやる気を出させてくれる文章がありましたので引用します。
この本に載せた百余題の問題に挑戦して解くだけで、すべての筋が学べるといっても過言ではありません。
よく使われる手筋はもちろん好手、妙手あり、捨て石戦法や石の下、絶妙手や奇想天外な手、などが数多く含まれています。
また前田九段の詰碁創作の三つに、「古作の模倣や焼直しではなく、筋が新しくそして優秀であり、石の形に無駄がなく引き締まったスタイルがよい」というものがあります。
本書は上記の思いが込めらており、詰碁の神様と言われた人の素晴らしい作品を楽しむことができる一冊です。
目次
- 第1章:小品集 50題
- 第2章:珠玉集 46題
- 第3章:傑作集 20題
内容紹介
↑白先黒死の問題です。
実戦に出てきてもおかしくない形をした詰碁ですが、どうやって黒を殺しますか?
普通の発想ではこの黒は仕留められません。
↑白1のオオゲイマは外から狭くする素直な手。
ちなみに初手を白2では黒1に打たれ手なしです。
黒2とつけられると、白3、黒4と一本道で進みます。
↑白1に黒2とアテられると白3と打つしかないですが、次に黒Aでコウになります。
コウでは失敗で、無条件で取る手を考えなければいけません。
↑白1の動き出しが意表をつく手で正解です!
黒2の受けには白5まで三目ナカデで黒死です。
↑黒1の抜きは白1であっさり黒死に。
正解手は初めて見たときに感動したのを覚えています。
詰碁としては珍しくはない手なのですが、実戦で打つことが出来る人は相当強いです。
沢山の筋を学べる
はしがきに書かれているように、詰碁における筋を満遍なく学べる問題構成です。
詰碁の難易度自体もそこまで難しいものではなく、一般的なアマ3段くらいあれば問題なく取り組めると思います。
本書の詰碁に出てくる手筋は、ひと目で見えるくらいまでやり込んできたいです。
その状態になって初めて実戦で使えるようになるからです。
手筋の基本を習得に役立つ棋書は世の中に沢山ありますが、当ブログでは前田詰碁シリーズを推していきます(笑)
ものすごい良書なので自信を持ってオススメできる一冊となります!
まとめ
対象棋力:3段以上
評価:A