隅の実戦形を網羅
こんにちは!!
今回紹介するのは, 誠文堂新光社【出版】、加藤正夫【著】
「加藤正夫の隅に強くなる本」です。
※「加藤劔正の隅に強くなる本」も同じ中身です。
隅の死活・攻防は非常に複雑怪奇です。
形が整理された詰碁ですらそうですから、それ以前の段階、つまり隅の構えに侵入したりされたりする未整理の段階では、恐怖からなにも手がない所を守ったり、手になる所に入っていかなかったりと、知らずに損を重ねる事も多いのではないでしょうか。
本書では、そうした隅のややこしい形をできるだけ多く集めて解説しています。
内容紹介
「星」から発展した型を中心に90型あります。
- 第57型:置碁に出てきそうな形で、隅に手がありそうだけど怖くて入れない人も多いのでは?
確かにここまで一間トビの連続で守られていると、三々に入った後に死んでしまう恐れもあるかもしれませんね。
しかし手にすることはできます。 - 第60型:ちょっと珍しい形ですが、隅はどうなっているのでしょうか。
左にある白石の援軍を利用することを考えてみましょう。
三々に直接入る以外の手もあるのです。 - 第62型:これも隅に手があるのか怪しげな形ですね。
かなり狭い範囲ではあるのですが、手はあるようです。
ただしギリギリの攻防になりますので、事前研究をしておかないと打ち切れないかもしれません。 - 第63型:これはさすがに隅が薄すぎますね。
置碁の下手がよく打っている「悪い守り方」として有名な形です。
手にする方法も一つではないのですべて覚えておきましょう。 - 第65型:63型から辺のハネツギが加わった型です。
三々に入るしかない形ですが、単独での生きは部分的にはないみたいです。
ただし攻め取りにしたり、外から先手で利かしにいく手を狙ったりする展開になるので、無駄死にはなりません。 - 第66型:63型から今度は隅のハネツギが加わった型です。
この形ではさすがに三々入りを狙えないので、別の手を模索することになります。
他に類を見ない本
隅の攻防について、ここまで実戦的な形を網羅した本は他に見たことないです。
あまり知名度はないのですが、個人的には隠れ名著だと思っており、評価も最高ランクのSとなります。
単に生きるか死ぬかだけでなく、締め付けや攻めどり狙いの打ち込みも多数あります。
隅の攻防が強くなることは、勝率アップに直接結びつくでしょう。
置碁・互先問わず使える内容です。
まとめ
対象棋力:3段以上
評価:S