マニアックな新定石・裏定石の本
こんにちは!!
今回紹介するのは、誠文堂光社【出版】、安倍吉輝【著】
「新手新型歴代きわめつけ」です。
この本はいつか紹介しようと思っている「新手年鑑」「新手新型年鑑」計15年分の中から斬新で簡明な31型を選び出し、その後の展開や現在の研究を付け加えて解説したものになります。
余談ですが安倍先生はハメ手や裏定石系の棋書をたくさん執筆していて、自分のお気に入りの先生です。
さて上記の15年間分の年鑑とこの本なのですが、普通のハメ手や裏定石の類とはまたちょっと違います。なんというか今まで見たことないであろう手がわんさか出てきます(笑)
マニアックな内容
本書に掲載されているのは、有力な型・互角の型・失敗した型などがあり、一概にハメ手とも言えませんし新定石とも言えないような手が多いです。
要はかなりマニアックな内容なので、最低でも有段以上の棋力があるのが好ましいと思います。
見方を変えれば、その辺のハメ手本には載っていない型が多いので、仕掛ける側としてはなかなか有力かも?
内容紹介
↑黒の一間受けに白3が注文をつけた手、黒10まで白3が悪手化していますが、白もカカった石と繋がったという言い分があります。
黒4で他の受け方をした時の話もなかなか面白かったです。
↑黒2まで定石ですが、そこで白3!!確かに左右同型中央に手ありといいますが、果たして有力なのでしょうか?
この手は他の本でもハメ手として紹介されてた気がします。
↑白のオオゲイマカカリに黒2のハサミは普通ですが、白3があまり見たことないですね。
場合によっては有力らしいです。
↑白のスベリに黒1とツケるのは有力な定石ですが、黒3から5がすごいですね!
どう見ても俗手にしか見えませんが、どのようなワカレになるのでしょうか。
↑ツケヒキ定石の進行中に隅を受けずに黒1とハサむ手は、左上隅に黒のシマリなどの援軍があるときに有力な手です。
隅を受けなかったので白2とつける手は一つの選択肢ですが、黒3から5が珍しい形。
無理やり戦いに引き込もうとする黒の挑戦ですが、白も勉強しておかないと痛い目を見るでしょう。
マニアックな内容
以上を見たらわかると思いますが、「実戦で出なそうで出てきそうな手」が多いです。
何かの拍子に打たれる可能性もあるでしょう。
基本がある程度身についている高段者以上の人は、碁に深みを持たせるためにこのような型の研究も有力と私は思います。
まとめ
対象棋力:3段以上
評価:A