新しい基本死活事典!
こんにちは!!
今回紹介するのは、日本棋院【出版】、張栩【著】
「基本死活事典」です。
・「基本死活事典上巻(趙治勲)」を以前記事にしましたが、本書は待望の新版になります。
私も発売日をずっと楽しみに待っていました。
本書は定価で3000円以上しますが、それ以上の価値があります。
目次
- 第1章:生きと死に
- 第2章:隅の死活
- 第3章:辺の死活
- 第4章:実戦
- 第5章:一眼をめぐる攻防
- 第6章:筋
前作は上下巻だったものが、今回は一冊にまとめられていて、代わりに分厚くなっています。
また構成内容も新しくなっており、第1~4章で本題の基本死活の問題を網羅しています。
そして張栩版基本死活事典の特徴であるのが、第5・6章です。
第5章では死活問題で一眼を作る手筋を中心に集めています。
第6章では死活問題を普通の詰碁形式で出題しています。
要するに以前の超治勲版基本死活事典の内容にプラスアルファが加わり、より詳しい内容になっているのです。
問題図
↑これは第3章辺の死活の型です。
黒先白死なのですが、わかりますか?
↑いきなり急所に黒1と打つのは、白4までセキになってしまいます。
↑正解は1から黒3(△)の放り込みです。
黒1以外では生きてしまいます。
↑前の問題図に白△のハネが加わりました。
実はこの形は黒先でも白は生きています。
↑前回では殺せた黒1ですが、白2と受けるのが好手で黒3と目を潰しに行ってもAにつなぐことができません!
ハネが絶妙に役に立っていますね。
「ハネもフトコロのうち」の格言通りの展開になりました。
↑これは第5章の問題ですが、白はあと一眼作れば無事に生きます。
筋は見えますか?
↑この白1のコスミが唯一無二の生きる筋です。
他の手では一眼できないことを確認してください。
実戦では見逃しやすい筋ですね。
まず基本死活を純粋に覚えたい人は第1~4章だけを読むのをオススメします。
しかし5・6章も良問ばかりなので、余裕がある人は解いてみましょう!
基本死活は上達の為には避けて通れない!
あえて何度も書きますが、基本死活は本格的な上達の為には必須です。
しっかり勉強するべきというのが私の持論であり、プロの間でも一般論だと思います。
基本死活を疎かにしていると、必ず後でツケが回ってきます。
私も指導している人やアドバイスを求める人には、必ず基本死活の習熟を行ってもらいます。
スポーツでいえば基礎体力になる分野ですからね。
まとめ
対象棋力:初段以上
評価:S