正しい指導者は重要
皆さんには囲碁を教えてくれる指導者の方などはいますか?
自分は入門の時には囲碁教室の先生に習いましたが、3級ぐらいからは1人で本を読んで上達していった独学派でした。
私の囲碁歴は記事作成時で13年くらいですが、最初の方はただ週1で打つだけで、本格的に囲碁に取り組み出してからだと8年くらいです。
今回は指導者についての話なのですが、何年も囲碁界に身を置いていますと指導の成功例・失敗例などをたくさん見ることになりました。
特に子供に指導する時に気になったことを綴っていきます。
やってはいけない教え方
- 自分の考えを押し付ける
結構よく見る光景なのですが、それなりに碁が強い人は、悪い意味でのプライドや自分だけの価値観などを持っていることが多いです。
私が見てきたよくない指導者の特徴の一つとして、『自分(指導者)がいいと思った手以外は否定する』というものです・・・。
囲碁は正解が一つしかないという局面はあまりありません。
大抵は「どれも一局」「棋風次第」などと、たくさんの選択肢の中から自分で考え抜いて決めるものです。
これを上記のように「そんな手はない!」「ここはこう打て!」「他の手は打つなよ?」というような指導をされると、まず間違いなくその子の上達は止まります。
碁が凝り固まって進歩がなくなるからです。
また碁を打つ楽しさもなくなるので、碁そのものから離れてしまうかもしれません。
さらにい言えばそういう指導をする人は大抵は中途半端な棋力なので、アマ強豪やプロレベルから見たら、悪手・間違いの手などを平気で「いい手」として覚えさせられます。
↑昔ある碁会所で、4子局で上手が白1とカカった時に、下手が黒2と受けたら、「君は上達する見込みがない、Aと打つ一手に決まってるだろうが!」と上手の人が一喝しました。
実は古い棋書では、『黒2と小ゲイマに受けるのは気合いが悪い、Aと打って戦う姿勢を見せるべき』などど書いてるのを昔見た記憶があります。
しかし現在ではむしろ黒2の小ゲイマ受けの方が主流なくらいです(笑)
現在の私もAよりは2を選びます。
↑もう一例。
白1・3と打つ手法はプロアマ問わず頻出する形ですね。
私は昔ある高段者に、「これは黒4が好手で白が悪いので打つな」と何度も聞かされました(笑)
当時の私は、すでにその人以上の棋力だったので軽く聞き流したのですが、うっかり信じていたら碁の上達が遅れていたかもしれません。 - 嘘を教えてくる。
さらにひどい話では、わざと悪手や間違いの手を指導する人に教えて、自分に勝つほど強くならないようにコントロールする強者?もいます。
実際自分も、局後の検討などで故意に嘘の情報を教えるという現場は何度か見たことがあります。「それも含めて勝負の世界なんだ!」という意見もあるかもしれませんが、それはちょっと悲しいですよね。
その間違いばかり教えられた子供は級位者のまま止まってしまい、後日別の指導者に代わりました。
その結果一年足らずで6段まで上がり(!)、さらに前の指導者が嘘ばかり教えてきたことを知って怒っていたと聞きます。
まあ故意に嘘を教えるのは論外なのですが、自分の考えを押し付けるタイプの指導者には気を付けてください。
私の経験上そのタイプに当たった人は、さほど棋力が伸びなかったです。
またその指導者を超えることはまずできないとしたものでしょう。
正しい指導者とは
では正しい指導者とは何なのでしょうか。人によって意見はあると思いますが私が考えた一例を下記に示します。
- 伸び伸びと碁を打たせる。
- よく褒める
- 一緒に囲碁を楽しむ
- 教えている人の上達を心から喜ぶ
- 師弟の信頼関係がある。
指導者の棋力は考慮しません。間違いを教えてしまっても訂正したりする人は「いい指導者」でしょう。
実は上記5つの項目は、私が人に囲碁の指導をしている時に心がけていることなのです。
技術面や棋力などの評価はその次だと思っています。もし教えている人が指導者を超えれば、そこを卒業してもっと強い指導者のところに行けばいいので。
正しい指導者を見分けるのはとても大事なことですので、意識してみてくださいね。