白番布石の棋書では最高峰の完成度
こんにちは!!
今回紹介するのは、毎日コミュニケーションズ【出版】、小林光一【著】
「白番布石の徹底解明」です。
黒番では得意だけど、白番は苦手だと言う人はアマは特に多いかと思われます。
私も白番は苦手で、白番布石にいつも頭を悩ませています。
世の中には黒番の布石の棋書はたくさんあるのですが、白番の布石を扱った棋書は少ないですよね。
本書はそんな貴重な白番布石の棋書の中でも、個人的に最高峰レベルの名著だと思っています!
まえがきにも書いているのですが、黒番は序盤で多少ミスしても決定的に悪くはなりにくいのですが、白番のちょっとしたミスは即命取りになりすぐに勝てない碁になります。
長年囲碁を打っている私ですが、「本当にその通り!」と完全同意です(笑)
白番で悪くしてしまう原因はプロアマでほぼ共通しており、「形勢をよくしたいと、思うあまり無理をしてしまう。」ということらしいです。
白番はコミがあるから少し遅れているくらいで十分・・・・。
頭では理解できるのですが、対局中はつい遅れを取り戻そうと頑張ってしまいますよね。
どうしても焦ってしまうのが私の弱点でした。
いや今でも弱点です・・・。
本書は小林先生が自戦譜を使って白番で優勢を築く方法を、理由や考えを詳細に示しながら解説しています。
目次
- 序章:白番布石の心構え
- 第1章:対三連星
- 第2章:対中国流
- 第3章:対小林流
- 第4章:対新小林流
- 第5章:対ミニ中国流
- 第6章:対その他の平行型布石
- 第7章:対タスキ型布石
内容紹介
↑対三連星の問題で、白1と打ちこんだときに黒2から4,6と広げられた場面。
次の一手に自分はかなり感動したのを覚えています。
余談ですが自分なら白1で右下三々に打ちます。
↑白1・3と冷静に下辺の白を治まるのがこの場合大事な手でした。
仮に黒4と打たれると右辺の黒地はかなり大きく見えるのですが、白5・7を利かして白9に構えれば十分と書いています。
黒地は右辺だけで50目がせいぜいだと・・・。
この相場感覚に自分は驚きました。
このような明るい判断ができるようになれば、碁の上達は約束されたも同然です。
↑右辺の黒地がまとまっては大変だと、白1と打ちこむのは失敗です。
黒12まで次にaと打てばコウに持ち込むことができますが、白は下辺もかなり弱体化しており、既に絶望的な形勢となっております。
自分なんかはこの失敗図のように、すぐにヤキモチを焼いて、自分から苦しくしていました。
そのような打ち方では白番で勝つことは大変ですよね・・・。
↑ちなみに黒2に白3と飛ぶのは黒4とのぞかれて重くなります。
そして黒6やaと打たれるぐらいで白は眼系がなく、攻められながら黒地を増やされる展開となってしまいます。
↑実戦の進行ですが、白4とさらに下辺に手をかけたのがまた感動しました!
黒5でaと右辺を囲うのは白5と下がって白不満なしという判断ですね。
黒5と打ってきたので今度は白6の突入になりました。
失敗図と違って下辺の石が完全に生きているので、絡み攻めにされる心配はありませんね。
白番が苦手な人に自信を持ってオススメできる棋書
どうにも白番だと勝てないという人には自信を持ってオススメできます!
自分はこの本のおかげで、白番布石の苦手意識がかなりなくなりました。
また白番での正しい打ち方を身につけられるのは大きな武器になります。
なんせ互先では確率上半分は白番ですからね。
まとめ
対象棋力:初段以上
評価:S