囲碁AIの現在
去年(2016年)終わり頃から囲碁AIから目が離せなくなっています。
Master(AlphaGoの進化型)はテストを終了したということで姿を消しましたが、日本と中国のAIは現在でもネット碁で活動中です。
中国のAIは当初は「絶芸」でしたが、その後進化型と言われている「形天」に替わりました。
さらにその後「黒龍」(実際は別の字だがここではこう呼ぶ※追記:実際は「驪龍」です。)と言われてるAIも出現しました。
「黒龍」は人間の棋譜を使わずにAI同士での対局だけで強化したものと噂で聞きます。
その後「形天」と「黒龍」は姿を消して再び「絶芸」が表れました。(2017年2月27日現在)
以前よりも進化したのか、トッププロ相手にもほとんど負けなくなっています。
日本産AIの「ZEN」もプロ相手にもほとんど負けなくなっており、化け物じみた強さを発揮しています。
ちなみに、「Master」はGoogle傘下のDeepMind社によって開発されました。
中国AIはテンセントという会社が開発しました。
自分なりに活用しています
強さでは「Master」が現時点では断トツでトップでしょう。
「絶芸」と「ZEN」はどっちが強いのかよくわかりません。(なんとなくだけど「絶芸」の方が強そう・・・。)
自分は囲碁AIでは「ZEN」の棋風が好みで、ネット碁「東洋囲碁」にある「ZEN」の棋譜を取り入れて印刷し、実際に碁盤に並べています。
囲碁AIの棋譜を並べて勉強なんて少し前では考えられなかったです(笑)
時代の進歩は恐ろしいですね・・・。
AIの碁は序盤から中盤にかけて物凄く参考になると思っています。
「ZEN」の碁を並べていると、序中盤はとても参考になるのですが、碁によっては終盤(ヨセ)で私の目から見てもミスと分かるような手を打ちます。
ただ勝敗に影響することはなく、20目勝つ碁が10目になったりするという感じです。(これはプログラム上、仕方のないことみたいです。)
感覚でも取り入れる
その為、終盤を並べるのはあまり勉強にならないのではないかと考え、序中盤を中心に並べまくるのが私のやり方です。
並べる際に私が心がけているのが、ただ暗記してAIの手を猿真似する事のないように、厚みや地のバランス感覚や石の運び方を感覚で吸収しようと努めている事です。
↑黒:東洋囲碁9段、白:DEEPZENの碁ですが、白1の打ち込みに対して黒2は普通の手です。
その後の白3のトビに感動しました。
今までの自分なら白1の石から動くことを考えます。
しかし3の地点に黒に打たれると、途端に右辺の白が弱くなり攻守逆転します。
右辺白が弱くなると上辺に打ちこむこともできなくなる上に、右下の白にも悪影響が出るでしょう。
白3はまさにこの碁の急所で、右辺白を強化すると同時に、右辺の黒にも圧力をかけそれが間接的に白1の応援にもなっています。
市販化を期待
ZENは天頂の囲碁シリーズで市販化されており現在6まで出ています。
PCのスペックにかなり依存するのですが、6で既に県代表クラスの力があるみたいです。
仮に7が出たとしてその棋力は最低でもプロクラスでしょう。
もしかしたらトッププロクラスの力があるかもしれません。
もしそのようなプロ級の囲碁ソフトが市販化されれば、これを利用しない手はありませんね。
実戦対局の相手はもちろん、自分が打った棋譜を入力して評価値を見ながら検討ができます。
まず間違いなくプロアマ問わず囲碁界のレベルアップに貢献することが予想できます。
ほんと楽しみですね!
上手く利用しよう
近い将来、進化した囲碁ソフトをうまく使いこなせるかどうかが、上達のカギとなる時代がくるでしょう。
詰碁・棋譜並べ・対局が上達方法の王道ですが、この枠に囲碁AIが入ってきそうですね。