大ヨセには感覚も必要
↑の記事でヨセについて語りました。
今回はあまり広まっていない情報であると思われる、「大ヨセの感覚」について書きたいと思います。
これまで大ヨセについて棋書や勉強法などを紹介しましたが、それは「部分的な手筋」であったり「目数の大きさ」・「計算方法」といった。所謂「知識」としての側面が強いものばかりでした。
しかし実は大ヨセには感覚と言える分野も存在するのです。
大ヨセの感覚とは?
「計算・知識だけの答えの出る分野」というイメージがあるヨセですが、それは小ヨセに限定されるかもしれません。
もちろん大ヨセでも、碁形によっては単純な目数の大小の知識で乗り越えることができることもあります。
とはいえそれはレアなケース。
打つ手の大きさは、単純な地の出入りだけなく、石の強弱の急所であったり、後々利益が出る手であったり、いろいろな要素があるわけです。
囲碁AIでしたらそういった要素もすべて含めて、「勝率」という評価方法で判断できるかもしれませんが、人間はなかなかそうもいきません。
簡単な例
↑大ヨセでおなじみの白1のハイ込み。
この手は単純な地の出入りですと約16目程度の手になり、特にこの場面では黒白双方石がしっかりしているので、「地だけの手」といえるでしょう。
※黒が同点に打つのも同じ価値です。
↑配石が少し変わりました。
今度は白1の価値が前図よりも上がっています。
それは白1によって約16目程度の「地の出入り」に加え、黒石を攻めるという「プラスアルファ」が見込めるからです。
↑さらに配石が変わりました。
これはかなりの大きさです。
前図の性質に加えて、白自身の安定も兼ねています。
このよう部分的には同じ手でも、配石によって価値が変わってきます。
石の強弱の力関係は常に意識することが大事です。
大ヨセの感覚を身につける方法
↑の棋書は大ヨセの感覚を取り上げている貴重な棋書になります。
またプロ棋士の棋譜を並べることも、大ヨセの感覚を鍛えることができる有力な勉強方法です。
ライバルに差をつけるチャンス!
大ヨセの知識・感覚双方をバランスよく勉強することは、棋力向上に欠かせません。
それなのにアマはこの分野を疎かにしている人が多いので、差をつけやすい分野なのです。
当ブログでは様々なヨセの棋書を紹介していますので、是非参考にして棋力向上を図ってください!