最新定石を詳しく解説
こんにちは!!
今回紹介するのは、日本棋院【出版】、井山裕太・黄 翊祖【著】
「井山、黄の定石研究」です。
定石は常に変化しています。
従来互角のワカレで定石に分類されていた型が、いつのまにか、「実は互角でなくて一方が有利だった。」となり廃れていることも少なくありません。
アマでも県代表に近いレベルなら、新定石の研究は必要不可欠になるでしょう。
本書は、2007年から2008年の週刊碁で掲載した「イソと井山の最新定石ファイル」を加筆、修正してまとめたものになります。
中国韓国発から日本発、さらには従来の発展形まで様々なテーマを井山裕太・黄 翊祖 両プロが若き知性をぶつけ合って、明快に断を下しています。
目次
- 第1章:小目 高ガカリ
- 第2章:小目 小ゲイマガカリ
- 第3章:星
- 第4章:目ハズシ、高目、中国流
内容紹介
↑第1章から一部を選出しました。
準難解定石とも呼べるような型です。基本形だけのうろ覚えでは痛い目に遭うかも・・・。
- 「李 世乭の趣向を研究」:韓国のトッププロである李 世乭九段が打った黒4に対する研究です。
結論からいうと黒はよくないのですが、想像以上に難解でした。 - 「人気定石の再検証」:一時期流行った定石です。
白13はかなり有力な手法で、これがあるため私は黒10で一路左に打ちます。 - 「オキを巡って”第4の手段”」:これも一時期流行った有名な定石ですね。
白8からの攻防が見物です。
↑第2章から一部を選出しました。
どれも有力で覚えておきたいものばかりです。
- 「奇手!三間トビ」:白2の三間トビを打たれたら相手はさぞビックリするでしょうね。
意外と有力みたいです。 - 「打たれて気づく一手」:白7では5の一路左に打つのが従来の定石ですが、こちらのほうがより有力らしいです。
- 「張栩発、単ノビの新手」:黒3では2の一路下にハネるのが従来の定石でしたが、張栩先生が単に黒3を打ち出したことにより一気に広まっていきました。
↑第3章から一部を選出しました。
星の分野はアマの対局にも頻出する型が多いです。
アマ上位レベルではこのような知識がないと序盤戦で持っていかれます。
- 「より厳しく迫る”カド”」:有名な手段で尚且つ破壊力抜群です。
私もこれで潰されたことがあります(笑) - 「星と小目の違いを検証」:左上が小目の場合で同じような定石がありますが、星の場合はどうなるでしょうか?
- 「愚形の反発も可」:定石の進行中ですが、白9は見ない手ですね。
どういう意図があるのでしょうか?
↑第4章から一部を選出しました。
見慣れないかもしれませんが、これらもすべて有力な手法なのです。
- 「流行りの単受けを探る」:白1でカケツギなら従来の定石ですね。
また白1では一路右の二間ビラキも有力です。 - 「「隅も辺も」のコスミツケ」:白1の裏ガカリに対して、黒2は隅の地を取りつつ、下辺のヒラキを相手に打たせないようにするための欲張りな手です。
- 「ブツカリが最強?」:黒3では白2の一路上か下のハネダシなら普通です。
一見俗筋に見える黒3ですが実はとても有力な手法となります。
プロレベルの内容
普通の定石書にはないような高レベルの内容です。
対象棋力はアマ高段以上としますが、並のアマ高段者では歯が立たないでしょう・・・。
県代表を狙おうとしている人には是非読んでみてもらいたいですね。
まとめ
対象棋力:5段以上
評価:A