布石の感性を養う問題集
こんにちは!!
今回紹介するのは、日本棋院【出版】
「新ポケット布石100」です。
序盤でリードすると、中盤以降を有利に戦えます。
中盤の戦いやヨセで多少損しても序盤の貯蓄で耐えきれてしまうことも結構ありますからね。
逆に序盤で遅れてしまうと、その後は非常に苦しい碁となります。
「ヨセで相当得しても数目届かず負け」という経験は私も数多くあります。
囲碁は棋力が上がるほど、序盤での遅れが致命的になってきます。
強い人ほど序盤をしっかりと勉強しないといけないということに私が気がついたのはアマ高段者になってからでした。
序盤感覚を磨くにはプロの棋譜並べの他に、本書のような次の一手問題手を数多く解く方法が有力です。
目次
- プロローグ:美しい布石を打つために
- 第1章:布石との出会い(5~8級)
- 第2章:布石の形に親しむ(3~8級)
- 第3章:急所を見分ける(1~3級)
- 第4章:逃せぬポイント(初・二段)
- 第5章:布石でリードする(三段以上)
内容紹介
↑白番の問題です。
A~Cの中から選ぶとしたらどこに打ちますか?
感覚的な部分が要求されるタイプですね。
碁盤全体を広く見ていれば正解にたどりつけるかも?
↑正解はAの白1です。
この一手によって白模様が大きくなり黒模様を制限しており、まさに天王山というべき箇所です。
次に上辺黒に打ち込む手が厳しくなっている点も見逃せません。
蛇足になりますが、この後黒に左辺を荒らしに来られても白1は十分役に立つ位置にあります。
↑白1は大場ではあるのですが、黒2に打たれてはいけません。
前図と比べてみるとまったく景色が違いますね。
この図は相手の模様が理想型になってしまい、手がつけられなくなる恐れが出てきました。
模様を張り合う碁はこのような天王山が出現することがあり、そこを逃さない感覚が大事です。
それにしてもこの図は白が夢のない打ち方ですね(笑)
所謂「発展性のない碁形」と呼ばれる白の打ち方なのですが、この後白地は増えずに黒地だけが増えていくというパターンになりそうです。
難易度易しめの問題ばかり
布石の問題としても、そこまで難しくなくシンプルなものが多いです。
序盤感覚の勉強に初めて取り組む人にはピッタリでしょう。
もちろんアマ有段者以上の人でも十分勉強になります。
こういった布石問題集の地道な取り組みがアマ高段レベルの布石感覚獲得に繋がるので、囲碁上達にためには必須の分野です。
まとめ
対象棋力:5級以上
評価:A