ミニ中国流と小林流に限定した解説
こんにちは!!
今回紹介するのは、棋苑図書【出版】、江鋳久・芮廼偉【著】
「世界の新定石 PARTⅢ」です。
囲碁界ではかつて日本が定石や布石の研究でリードしてきました。
しかし1990年代に入ってからは韓国や中国の研究も進み、従来の定石や布石が厳しく検証され、それに伴い新手や新布石が数多く誕生しました。
現在では新手や新布石の情報は中韓から来ることが多いです。
本書はその中でもミニ中国流と小林流から派生する布石に限定してまとめています。
目次
- 第1型:徐奉洙の新手
- 第2型:小ゲイマ受け
- 第3型:韓国新手の発展
- 第4型:小林流の布陣
- 第5型:コスミツケ
- 第6型:ナラビ後の攻防
- 第7型:ナラビ後の韓国流
- 第8型:簡明定石
- 第9型:二間ビラキの趣向
- 第10型:二間高ガカリ
- 第11型:呉清源流の発想
内容紹介
- 第1型:ミニ中国流で、黒1とツケるのは有力な手法です。
激しい変化が多いのが特徴で、黒としては右下方面の模様拡大を第一目的としています。 - 第4型:小林流の型です。
本書では白3に対して、黒A・Bの手法の解説しています。
どちらとも下辺の黒模様拡大を狙っております。
白の立場としても研究しておきたいですね。 - 第9型:白1・3はかわしの戦法で呉清源プロの発案だったはずです。
もちろん黒からも有力な手段があります。 - 第11型:白1から3・5もかわしの戦法でこれも呉清源プロの発案だったはずです。
白5までで一段落ですが、この後どういう構想で臨めばいいでしょうか。
布石中心の内容
前二作と比べて布石中心の内容になっています。
そのため本来は「システム布石」のカテゴリに入れるべきなのですが、全二作との兼ね合いで「新定石・裏定石」のカテゴリに入れました。
本書の解説は、小林流の比率が高く、小林流の勉強がしたい人に特にオススメします。
わたしも小林流を長く愛用していた時期があり、本書で学んだことは大いに役立ちました。
小林流は地にカラく足が早い特徴があり、安定した勝率を出しやすい布石となっております。
またシンプルな布石なのでごちゃごちゃした碁になりにくいというメリットもあります。
もし小林流に興味がありましたら下記の棋書も読んでみてください。
本書と併せて読めば小林流に関しては一通り理解することができるはずです。
まとめ
対象棋力:3段以上
評価:A