布石を体系的にまとめた棋書
こんにちは!!
今回紹介するのは、日本棋院【出版】、久保 秀夫【著】
「新・早わかり 布石小事典」です。
囲碁が強い人ほど布石の勉強に苦労し、自分の型を持っています。
自分の型を持っているのは相当な強みになります。
これは相撲と同じで、安定した勝率を上げるために必要です。
その布石ですが、手順を丸暗記しているだけでは使いこなせているとは言えません。
それぞれの布石がもつストーリー(明快な理論)を知っていることが大事で、中盤への戦いが一気に有利になるのです。
本書では様々な型の布石を理路整然とまとめています。
目次
- 第1章:二連星
- 第2章:三連星
- 第3章:星と脇小目
- 第4章:星と対小目
- 第5章:中国流
- 第6章:違い小目
- 第7章:秀策流
- 第8章:向い小目
- 第9章:タスキ型
- 第10章:ケンカ小目
- 第11章:三々
- 第12章:高目・目ハズシ
- 第13章:特殊布石
内容紹介
- 星と脇小目:非常にオーソドックスな布石で、これまでプロアマ問わず無数に打たれてきました。
星と小目の組み合わせの布石といえばまずこれが思いつきます。
黒としては実利先行の流れになりやすいのですが、相手の出方次第では模様経営や攻めの碁にもなります。 - 星と対小目:黒3の向きが前図とは違いますね。
これも人気の布石で、ここから小林流や中国流などの人気布石に進むことも多いです。 - 違い小目:やはり数多く打たれている布石で、右下が星ではなく小目になっている分、黒は実利先行の作戦の意味合いが強いです。
この後白は右下黒にカカる進行が予想され、そこから戦いに発展することも多いです。 - 特殊布石:特に名称もないのですが、あまりプロは打つ事がない珍しい型の布石を総じて特殊布石と呼びます。
別名「変則布石」とも呼ばれるのですが、普通の布石と違っていきなり未知の戦いになる可能性が高く、腕力が求められます。
得意な型をみつけよう
これまで布石にあまり興味がなかった人、極端な例でいえば、隅に打つ、シマリやカカリやハサミがあって、辺へのヒラキに進むといった程度の原則的なことしか知らない人にとっては、本書は布石の基礎を学ぶのに最適な一冊になるでしょう。
自分の得意な型をみつけるためには、様々な布石のストーリー(明快な理論)を理解することがまず大事です。
たくさん勉強して自分に会った布石を見つけることができれば、その布石をとことん勉強してみましょう。
そして実戦で何度も使っていく内に、いつしか自分の強力な武器となっているでしょう。
まとめ
対象棋力:5級以上
評価:A