依田流の布石
こんにちは!!
今回紹介するのは、誠文堂新光社【出版】、依田紀基【著】
「私の布石構想」です。
布石の考え方は人によって異なり、各人の棋風がもっとも反映される分野でもあります。
例えば黒番は先着の利点を生かして、戦いで主導権を取る打ち方や、地で先行する打ち方などがあります。
逆に白番では、作戦の立てようがなく、黒の作戦に付き合いながら遅れないように打ち進めるパターンがほとんどでしょう。
プロが目指す理想の布石は「地が多く、厚い」と本書に書いています。
私もそんな布石を打てるようになれば最高です(笑)
本書では依田九段の実戦を教材として布石の打ち方や考え方を解説しています。
目次
- 第1章:黒番の布石
1.地が多く厚い布石
2.手堅く地を稼ぐ布石
3.三連星の布石Ⅰ
4.三連星の布石Ⅱ
5.地模様を拡大する布石
6.変則ジマリの布石
7.弱石をつくらない布石
8.白模様を破る布石Ⅰ
9.白模様を破る布石Ⅱ
10.戦って模様を消す布石
11.白模様を未然に防ぐ布石
12.実利で先行する布石
13.稼いで厚く打つ布石
14.地模様で先行する布石
15.左辺で戦う二連星の布石
16.中国流の布石
17.ミニ中国流の布石 - 第2章:白番の布石
1.中央を厚く打つ布石
2.大コウを誘う布石
3.黒の浮石を攻める布石
4.戦機をつかむ布石
5.地で先行する布石
6.大コウで模様を破る布石
7.戦いつつ地を稼ぐ布石
内容紹介
↑白3の時にAとBどちらに打つかの正しい判断ができれば、アマ高段者の実力ありです。
どちらも定石ですが、こういう所をその日の気分で適当に決めているようでは布石巧者にはなれません。
↑黒1と三々に受けるのは自身の根拠を確保する手で、部分的には普通の手です。
しかし黒△があるこの場面では、黒は既に根拠を持っているので三々に受けるのは甘いのです。
この感覚を理解するのはやや難しいかもしれませんが大事なところです。
↑黒1のハサミがこの場面ではいいみたいです。
定石通り黒9までなれば、黒△が右上の厚みと呼応しているのがわかりますね。
プロの布石感覚を会得できる
依田九段はプロの中でも特に大局観に優れた打ち手と言われています。
上記事典の著者になっていることからも、布石が非常に得意な棋士といえます。
本書は依田九段の実戦譜を使った構成になっていますので、「序盤だけの棋譜並べ」を詳しい解説付きで行うことができます。
プロの布石感覚を会得するにはとても有力な良書です!
まとめ
対象棋力:初段以上
評価:A