棋理について説明
こんにちは!!
今回紹介するのは、マイコミ【出版】、牛窪義高【著】
「碁は戦略」です。
・「碁は戦術」
の続編になります。
前作、今作ともに棋理についての説明が主な内容でしたが、「碁の戦術」が部分的な棋理を取り扱ったのに対して「碁の戦略」は全局的な構想をテーマにしており、こちらの方が難易度が少し高くなっているようです。
昭和63年に碁学社から刊行された「碁は戦略」に修正を加えて再販されたものと記載されています。
棋理習得の効果
その棋理の勉強なのですが、これが囲碁上達においては非常に有力です。
さらに泥臭い読みの訓練などに比べたら、わりと習得しやすい分野だと思います。
さほど労をかけないで結果を出せるのはコスパがいいですね!
世の中には棋理に明るく綺麗な碁を打つけど力が弱いというアマチュアが数多くいます。
しかし棋理に明るいこと自体は大きな武器になり、適切な表現ではないかもしれませんが楽に勝てるようになります(笑)
本書ではアマやプロの実戦対局を解説しながら棋理とはなにかを解説しています。
内容紹介
↑アマチュアの実戦からの出題になります。
白1に対して黒2のトビは部分的には立派な手です。
ところが全局的にみるとこれが疑問手になったりします。
それが碁の難しく面白いところですね。
↑白1から裂かれ、トビトビの展開になるとどうでしょうか。
右辺は凝り形で黒△の厚みが泣いています。中央にあった黒模様も跡形もなくなっている点にも注目。
この進行は地で先行している白が優勢です。黒は地で負けてるのに模様で勝っているわけでもなく、厚みも働かないので当然ですね。
棋理を外した手を打つと一気に形勢を苦しくしてしまういい例でした。
↑ここでは黒1から上辺黒石を捨てる戦略が棋理に適った手となります。
白4まで上辺で稼がれてしまいますが、黒5(もしくはa)と打てば模様と厚みで十分対抗できる形勢でしょう。
このような打ち方ができるようになると、碁はさらに楽しくなります!
ワンランク上を目指すために
今まであまり棋理の勉強をやっていなかった人は是非読んでみてください。
碁の考え方自体を大きく飛躍させることができるキッカケとなると思います。それが囲碁の上達に繋がりますから。
私の感想では本書の内容を使いこなせれば県代表クラスはあるのではないかと思いました。
ただ読む難易度はそこまで高くないので、有段の力があれば十分理解できると思います。
まとめ
対象棋力:初段以上
評価:A