高段レベルの手筋の問題集
こんにちは!!
今回紹介するのは、日本棋院【出版】、高木祥一【著】
「六段合格の手筋150題」です。
・「初段合格の手筋150題」
・「三段合格の手筋150題」
・「七段合格の手筋150題」
↑これまで紹介した恒例の「○段合格シリーズ」は初段・三段ときて、いきなり六段に飛びます。
それに伴い難易度も跳ね上がり、本書は高段者向けの問題集となっております。
この本の上に「七段合格の手筋150題」というものがあるのですが、個人的には本書の方が難しく感じました。
また本書のはしがきに手筋の勉強のやる気を出してくれる一文がありましたので引用します。
手筋は囲碁用語の数だけあります。つまりは手筋とは囲碁そのもの。囲碁の骨格を成すものでしょう。布石も中盤の攻防も、死活もヨセもすべてが手筋です。手筋を数多く学ぶのが上達への道ですから、しっかり励んでください。
目次
- 序章:手筋とは何か
- 第1章:序盤に生じやすい手筋
- 第2章:中盤に生じやすい手筋
- 第3章:攻め合いとヨセに関する手筋
内容紹介
↑第1章の問題、黒先ひと目六段です。
隅の黒はここだけでは生きるスペースがないので外に出ないといけませんが、手筋を使わないと脱出できません。
初手を黒3やAだと脱出できないのは簡単にわかりますね。
試しに黒1と打ってみましたが、白6まで無条件で脱出できるか怪しいです。
↑そこで黒1の割り込みがまさに手筋!
白2と受けると黒5が成立し、以下白が取りに来ても脱出することができます。
↑では黒1(△)に白2と打つのはどうでしょうか?
その時は黒3から一歩一歩外に向かって打てば、黒1(△)がうまく働いて黒9まで外に脱出することができました。
白としてもポン抜きが打てているのでこれが相場でしょう。
この筋は意外と盲点だったかもしれませんが、実戦に出てくることも少なくありません。
こういうカッコイイ手筋は「ひと目」で見えるようになりたいですね。
↑こちらは第3章の問題で、右上の白地のヨセ方が焦点になります。
黒先、1分で五段。
↑黒1・3のハネツギは普通の手で先手になりますが、この際は「もっとうまい手」が潜んでいます。
↑黒1のハサミツケが成立し、白2・4と分断してくれば、黒5・7と食い込むことができます。
これが手筋の効果です。
↑これも黒成功ですね。
骨のある問題が多い!
これらの問題は本書ではまだ優しい方です。中には、「5分で県代表クラス」や「3分でプロ級」などという問題があります。
5級~3段程度の手筋をほぼ網羅した人が、本書に挑むのが一つの目安かもしれません。
本格的な高段以上の力を手に入れるには、このような骨のある問題に取り組む事も要求されてくるようになります。
ちなみに私は2・3段の時に本書を何気なく購入し、かなり苦労しました(笑)
難易度は高い本ですが、実戦に頻出する筋ばかりなので、今はまだ手が出せない人もいずれ挑戦してみてください。
まとめ
対象棋力:3段以上
評価:A