アマの段級位のインフレ問題
囲碁の段級位は昔に比べてかなりインフレを起こしていると言われています。
ある時代ではアマの最高段位が3段だった時があったそうな。現在はアマ8段まであります。
↑ちなみに私は日本棋院の6段免状を宝酒造杯六段戦のブロック大会で全勝して無料獲得しています。
囲碁を知らない人には6段の免状というのはけっこう自慢できます(笑)
免状の基準は?
さてこのアマの段級位ですが、私が知る限り高段(正式な免状)は、下記のような基準だったはずです。
- アマ8段:世界大会優勝クラス
- アマ7段:全国大会優勝クラス
- アマ6段:県代表クラス
- アマ5段:地区代表クラス。
また本来そうであるべきと考えています。
この基準でいうと私はまさに6段です。
ところが実際は県代表クラスに4子も5子も置くレベルの人達が6段格を名乗ってたり、6段免状を習得しているのが現実です。
そういう場所では県代表クラスは10段格という本来あり得ない段位になってしまいます(!)
しかもこれはまだマシな方で、私に星目置く祖父(免状2段で実力はアマ3段くらい)が7段格になってしまう公民館や碁会所が存在したりします(笑)
免状の権威失墜
まず問題の原因の一つ目が日本棋院が免状の乱発を行っていること。
一昔前は免状も非常に取りにくく、かなり権威があったと聞きます。
それが棋院の財政難から、貴重な収入資源として免状を取りやすくしたことにより、免状の権威の失墜・段位のインフレが起こりました。
今ではお金さえ出せば誰でも免状を手に入れることができると言われている有様です。
とはいえ6段は21万円、7段は52万5000円、8段は105万円と相当高額ですが。
アマ段級位の統一の難しさ
二つ目は日本全国で段級位の統一ができなかったこと。
たしかにこれは相当困難なことなのはわかります。
同じ県・市内でも場所によって段級位のレベルが全く違いますからね。
ただこの問題についてはネット碁の登場によりかなり解消されているのかなと思っています。
結局「私はアマ6段で打っています」というセリフは、かなり役に立たない情報であるのです。
6段に3子おく6段とかいう笑えない現象が起きているのですから・・・。
段位を申告して出場する「宝酒造杯」などの大会では、段位の過少申告・過大申告が問題になったり、自分の申請段位に悩んでいる人をよく見かけます。
ネット碁の段位が便利か
現状一番の解決策としてはやはりネット碁の段級位を使うことでしょうか。
「東洋囲碁で○段で打っています」「幽玄の間で△級です」と言われるとかなり正確な棋力を相手に伝えることができます。
まあネット碁の段級位を全く知らない年配の人も結構いますが・・・。
・ネット碁はどこがいいのか?比較してみた!!
碁会所の実情
そういえば最近地元であったハンデ制の大会で、上限が6段なので県代表経験者が軒並み6段で出場する中、本来彼らに3子は置くはずの人達も6段でたくさん出場し、なかなかにカオスなことになりました(笑)
また碁会所を経営している人とこの話をした時に、「県代表クラスを6段と設定したら、いままで高段で打っていたお客さんが初段ぐらいまで落ちてしまって嫌がる。」と意見がありました。
さらに昇段するシステムはあっても、降段するシステムはない碁会所が多いので嫌でもインフレします。
終わりに
たくさんの課題を抱えたこのインフレ問題ですが、うまくその場その場で付き合っていくのが最善かもしれませんね。