実戦に現れた形をまとめた古典詰碁
こんにちは!!
今回紹介するのは、山海堂【出版】、囲碁研究会【著】
「死活妙機」です。
死活妙機はかつて新案百二十種懸賞詰碁と題して時事新報に掲載されました。
本書はそれを増補訂正したものになります。
本書の詰碁は古人の打碁や本因坊秀哉名人の打碁に成りたる実践上のものを基礎として詰碁としてまとめたものになります。
古典詰碁5作の中では最もマイナーでしょうか。
難易度は高く、発陽論ほどではないにしても、難解詰碁の部類に入ると思います。
本書のはしがきから引用。
いかにも秀哉名人らしく、コクのあるものが多く、実戦訓練用としてアマ有段者にはうってつけの題材と申せましょう。
と書いてはいますが、どう考えても現在のアマ有段者では無理です(笑)
昔はアマの段位の基準が厳しかった名残でしょうか。
私の感想では、詰碁に強いアマ高段者や県代表クラスに近い人達が対象です。
ただ割とシンプル詰碁もあり、アマ有段者でも解ける問題があるのは確かですね。
目次
- 死の部
- 生きの部
- コウの部
- 攻め合いの部
全168題です。
内容紹介
↑死活の部で白先生きです。
なんだこれは!と思うかもしれません。
たしかに一見打つ場所が多すぎて考えるのも嫌になってきますね。
ところがこの問題は見た目ほど難しくないのです。
↑白1が形の急所です。
この手以外は結構簡単に死んでしまい、例えば白Aは黒Bです。
この手を閃けば後はわりと一本道になります。
↑その後は黒1から3まで想定されます。
ここまで来れば詰碁通の方はひと目で答えがわかるのではないでしょうか?
実は別の本では、ここから詰碁の問題として出されている事が多い有名な形なのです。
ヒントは先手で隅に一眼を作る筋です。
↑白1が”二の一”の急所です!
黒2と打てば白3を利かして白5とさらに”二の一”を占めて生きることができます。
↑黒2と来た場合はどうしますか?という形式でもう一問続いています。
答えは白3を利かして白5とここに一眼を確保します。
さて隅はどうなってるのでしょうか?
↑隅に一眼あるかどうかなのですが、黒1と打つほかありません。
しかし白2が好手で黒3と粘ってきても白4と打ち、
この後黒Aは白Bと冷静につないで黒2子はオイオイオトシで捕まっています。
読みの訓練に最適
実戦に出た形から作られた詰碁だけあって読みの訓練には向いていると思います。
実は本書は県代表クラスになった私に、某有名プロからオススメされた詰碁になります。
私は単純なのでその後ガリガリ解いていきました(笑)
まとめ
対象棋力:5段以上
評価:S