ヨセの基本手筋の問題集
こんにちは!!
今回紹介するのは、棋苑図書【出版】、加藤正夫【著】
「有段を目指すヨセの手筋」です。
一般的にアマはヨセが苦手と言われており、普通のアマの碁は終盤で10目~20目の差がひっくり返るものです。
並の碁会所で幅を利かせている高段者でもそういうことは日常茶飯事なのです。
どうしてもヨセという分野は軽視してしまう傾向がある人が多いですよね。
即効性の高い勉強法としては、基本死活・詰碁の習得と双璧をなすのがヨセの勉強です。
私はアマでは珍しく(たぶん)、初段くらいの時からヨセの勉強を意識してました。
同棋力帯に比べてかなりやっていた方だと思います。
今でもよく覚えていますが、劣勢の碁をヨセで逆転したり、格上相手にヨセ負けなかったので、強力な武器になりました。
本書のはじめより引用。
深遠な布石構想、華々しい中盤の攻防に比べると、ヨセはまちがいなく地味です。
しかし、本当に勝ちたい、勝率をアップさせたいと思うのならヨセを勉強すべきです。
さらにつけ添えれば、早く高段者になりたいのならヨセを勉強すべきです。
囲碁が強くなりたい人ほどヨセを勉強するべきなのです。
目次
- 第1章:ヨセの俗筋に気付こう
- 第2章:ヨセ・三つのポイント
- 第3章:ヨセの基本手筋
- 第4章:ヨセの有段手筋
問題数は全81題あります。
内容紹介
↑黒1、白2となった場面。
ここで黒はどうヨセるのが正解でしょうか。
なんと正解と失敗では二目の差が生じます!
↑黒1から3まで先手で打って満足する人は多いのではないでしょうか。
実はこれ失敗図なんです。
後から白a黒bは白の権利です。
↑正解はこのタイミングで黒1のキリです。
白2と抱える他ないのですが、黒5までなった時に黒a白bが先手で利く形です。
黒地が一目増え、白地が一目減りました。
↑かといって白2と打つと、黒3が手筋(!)で渡ることができます。
こんなに荒らされては白はたまりませんね。
↑別の問題です。
白1とハネてきた時にどう受けますか?
↑手拍子で黒1・3と受けてしまいそうですね。
もちろん失敗なのです。
↑ここで黒1と切るのが手筋!
前題と似たような雰囲気の手ですね。
黒3と4の下に打ち、黒5と引きます。
後で白は1の一路上に打ち、黒は5の一路右にオサエるのが相場で、半コウ取り返しが残っており、失敗図に比べると一目以上得しています。
↑ちなみに前図に続いて白1と打って来たら、黒4と逃げ出す手がこの場合は成立します。
黒6まで必然で・・・、
↑黒4まで白を取ることができます。
正解の手は高段者なら当たり前のように打てて欲しいです。
本格的な高段者を目指す人にオススメ
本書の問題はどれも基本手筋ばかりで、難解なものはありません。
本格的な有・高段者を目指す人にはピッタリだと思います!
一問の正解と失敗図の差は数目程度なのですが、同じ碁でこの数目の間違いを何度も繰り返すと、いつのまにか20目くらいはひっくり返りますね。
まとめ
対象棋力:3級以上
評価:A