評判の高い前田詰碁
こんにちは!!
今回紹介するのは、平凡社【出版】、前田陳爾【著】
「詰碁の神様 前田陳爾 傑作集1」です。
昔は高かった
この本に出合ったのは、私が高校生になって間もない時でした。
ネットで評判が高いのをみてヤフオクで購入したのですが、当時なかなかのプレミアがついていて定価700円の本書は8000円前後が相場でした。
高校生のお小遣いでは結構な出費でしたね(笑)
幸いにも現在では値段はだいぶ落ち着いているみたいで、入手しやすくなったみたいです。
前田先生の詰碁は「形がシンプルで筋が新しい」という感じで、個人的には取り掛かりやすくてお気に入りです。
基本詰碁を一通りマスターした人には前田詰碁をオススメしています。
本書は編集者が、すでに故人となった前田先生の詰碁の中から傑作としてふさわしいものを選択してまとめたものになります。
地味に表紙が前田先生の顏のドアップなのがじわります(笑)
目次
- 第1章:楽しい詰碁
- 1:三手の詰碁
- 2:ひねりの利いた詰碁
- 3:手品のような詰碁
- 第2章:置碁検討録
- さむらいのお手並
- 「御用」寸前
- 碁の本味
置碁検討録とは、雑誌「囲碁」に昭和26年9月号から、前田九段の亡くなられるまで実に25年もの間連載された講座らしいです。
これも前田節が炸裂していて面白い内容です。
内容紹介
↑黒先白死です。
白は黒2子を取って生きているように見えますが、ダメが詰まっているので手が生じています。
詰碁として考えれば答えがわかっても、いざ実戦に出たときは普通に見逃してしまいそうです。
余談ですが、「ダメヅマリは身の詰まり」という格言があります。
↑黒1とハネても白2と受けられ何事も起きません。
これは3手の読みができれば見えますね。
↑黒1が急所です!
この一手によって白は打ちようがなくなりました。
白2と一番紛らわしく打っても黒3から5となり、部分的にセキですが全体ではセキ崩れで白は死んでいるのです。
右側のセキは実戦ではほとんど見かけない珍しい形ですね。
手筋に明るくなる
本書の詰碁は上記の問題のように、シンプルな形で尚且つ綺麗な手筋が潜んでいます。
何度も解くことによって、手筋に明るくなる事は間違いなしでしょう。
難易度もそこまで高くなく、これを購入した当時の私(幽玄5,6段程度の棋力)でスムーズにストレスなく取りかかれました。
恐らく3段以上あれば十分余裕を持って解けると思います。
まとめ
対象棋力:3段以上
評価:S