橋本詰碁の隠れた名著
こんにちは!!
今回紹介するのは、読売新聞【出版】、橋本宇太郎【著】
「橋本宇太郎 名作三百選」です。
私が本書に巡り合ったきっかけはけっこう面白く、別の橋本先生の詰碁をヤフオクで落札した事が始まりです。
数日後に小包が届き、開けてみるとそこにはもう一冊詰碁が入っていました。
そして送り主の手紙も同封されていました。
内容はうろ覚えなのですが、「よろしければこの詰碁を差し上げます。是非受け取ってください。」という感じでした。
ここからは憶測なのですが、碁を趣味としていた家族の方が亡くなり、遺品整理をしているパターンなのかなと思いました。
なんにせよ、私のもとへやってきた本書ですが、とても質の高い問題ばかりで驚きました。
本宇太郎プロが読売新聞に毎日掲載していた詰碁講座が一万回(!)を達成した記念で、そのうちの300問を激選して本にまとめたものになります。
内容紹介
すべて黒先に統一されています。
全300問の詰碁が、1ぺージにつき2問づつ掲載されており、次のページでそれぞれ正解図1つに失敗図(変化図)1つを示している構成になります。
↑黒先生きの問題です。
3子取りがありますがすぐに喰いついてはいけません。
見た目の割には打つ手は限られていますので、読み切ってしまいましょう。
↑黒1のツケが急所で、続く黒3がカッコイイ手筋!!
黒7まで流れるように進み、無事生きることができました。
↑黒1と素直に白3子を取りに行くのはダメです。
黒3と誤魔化しに行っても白4で死は免れません。
正解図の黒1から3の手順のすばらしさが理解できますね。
↑黒先生き。真ん中は後手一眼の形です。
ということは上辺で先手で一眼作れば生きることができます。
詰碁として出されなければ、上辺はこのままで一眼あると判断してしまいそうですね。
↑黒1が急所で、白2と眼を潰して来たら、構わず黒3と中央に一眼を作ります。
白2の石は逃げることはできないのです。
かといって白2で3は、黒2に打たれわかりやすく生きられます。
↑黒1と単に中央に一眼を作りに行くと、白2・4の好手を放たれ即死です。
この手を読む方が正解図よりも大変かもしれませんね。
入手困難なのが唯一のネック
ほどほどの難易度で、基本手筋を習得できる内容です。
また300問と量も申し分ないのですが、入手難易度が高いのが唯一のネックです。
やはりマニアックな棋書なのでしょうかね(笑)
まとめ
対象棋力:3段以上
評価:A