打ち込みと消しの基本型を解説
こんにちは!!
今回紹介するのは、棋苑図書【出版】、韓国棋院【著】
「打ち込みと消しの基本」です。
囲碁において相手の陣地を削減する打ち込みと消しは重要な戦術です。
ちなみに、「打ち込み」は敵陣を根こそぎ荒らし、「消し」は軽く敵陣を削減するといった感じですか。
これらは主に中盤戦に出現するのですが、打ち込みや消しの局面は無数にあり、それらすべてを丸暗記することは不可能でしょう。
しかし基本型といえるものがあるのも事実で、それらをマスターすれば様々な局面の打ち込みや消しに応用できます。
本書ではそれらの基本型を学ぶことができます。
目次
- 第1章:打ち込みの基本
- 第2章:消しの基本
- 第3章:プロの打ち込みと消し
- 第4章:中盤・次の一手
内容紹介
- 第1章-第1型:白1は打ち込みの代表格のような手ですね。
黒の応手はA~Eまで考えられ、Eが大本命で当然その他の変化も学ぶ必要があります。
Aは稀に打たれることがありますが、趣向の域でしょうね。
Bはプロの碁でも普通に出てくるくらい有力な手で、中央を重視する局面で用いられる印象があります。
Cは悪手ではないのですが緩い手という扱いで、アマ高段者以上の人はほとんど打ちません。
Dもあまりいい手ではなく、白からサバかれやすい欠点があります。 - 第2章-第4型:黒の大模様に対して白は消しに向かいたいのですが、A~Fのどの地点が相場かという問題です。
こういう局面は感覚力が求められてくるのですが、囲碁AI登場以降は模様の消し方も従来の手法とは違ってくるようになりました。
例えば私の手持ちの囲碁AI「Lizzie」を回してみると候補の一番手はFの一路左で二番手がFでした。
こういう棋書ではC(黒模様の接点)を正解手とする場合が多く、Fなどは深入りの手として失敗にされてしまいます。
ただ人間はC辺りの手を打つほうが勝ちやすいというのも事実かも知れませんね。
実戦力が養われる
すぐに実戦で使えるような、打ち込みや消しの考え方や技術を学ぶことができます。
中盤力を鍛えるには詰碁や手筋を精進するだけでなく、中盤に頻出する形を覚えてしまう事も非常に有力です。
私自身もこのタイプの棋書を勉強したおかげで、苦手だった中盤の戦いを怖がることがなくなっていきました。
中盤戦における打ち込みや消しは一局の中でも勝敗に直結する分野なだけに、本書を読み実戦力を養っていきたいですね。
まとめ
対象棋力:3段
評価:A