置碁の心理
置碁を打っている時の上手や下手の心構えについて考えたことはありますか?
囲碁を始めた時は誰でも石を置く側ですよね。
そして強くなっていくと互先だけでなく、置かせる側にもなります。
今回は置碁での下手と上手の真理についてまとめてみました。
上手の心構え
置碁というのは、基本的に棋力に差があるのでいい勝負になるものです。
特に6子や7子などの多子局では、下手が明確な悪手を打たないとなかなか白は勝つことはできません。
そうなってくると置き石を減らすしかなくなります。
なので上手側は無理に勝とうとしないで、「負けが込んだら置き石を減らせばいいや」くらいの感じがオススメです。
置かせ碁で無理に勝とうとすると、「無理手」や「ウソ手」を打たざるを得なくなり、それは互先の時の自分の碁に悪影響を与える可能性もあります。
「置かせ碁は手が荒れるから嫌だ」という人も結構いますが、それはたいてい上記の状態になっているからでしょう。
心構え一つで置かせ碁も自分の碁の糧になります。
そういえばマンガ「ヒカルの碁」で、主人公のヒカルが碁会所でおじさん達相手に2子や3子の置かせ碁を沢山こなすことによって、「劣勢な場面を逆転する力がつく=荒らしがうまくなる」という描写がありましたね。
下手の心構え
今度は下手の側についてです。まず下手は基本的な事として「教えてもらっている」ということを忘れてはいけません。
世の中には上手に教えてもらいたくてもそれがなかなか叶わない人もたくさんいます。
教えてくれる人に感謝する気持ちは大事です。
対局する際ですが、相手が格上でも臆さずに向かっていきたいですね。
下手の目標はその対局に勝つことではなくて対局を通して強くなる事ですので、勝ち負けを気にしないで伸び伸びと打つのが大事だと思います。
私が三番手直りで指導している人の例なのですが、4子置いてなかなか元気な碁を打ってきます。
そして何度か負かされるので、これは3子も近いのかなと思いました。
しかしある日たまたま連敗して5子に打ちこまれました。
それまでの打ち方からすぐに4子に戻ると私は思っていましたが、なんと6子にされました・・・。
実は5子局になったあたりから、「勝たないといけない」という意識が強くなったのか、固く固く打つ守りの碁になっていたのです。
下手が弱気になればなるほど、上手は調子にのってくるのは当然で、6子局では4子で打ってた頃とは別人のようなガチガチな打ち方になってしまい案の定負けました。
その人はその後徐々に持ち直しましたが、気持ち次第でここまで変わるものなのです。
真剣勝負の大会では?
今までの話はあくまで指導碁や練習碁を想定しての話です。
段級位認定大会などのハンデ戦ありの大会ではまた別だと思います。。
真剣勝負となれば、とにかく勝つことに全力を注いでください。
しかし実際は上記の心構えの方が勝ちやすいというのも碁の面白い所です。
強くなった人の義務
上述しましたが、置かせ碁を嫌う人はそれなりにいます。
しかしどんな人も最初は上手に置かせてもらい強くなっていきます。
いずれ強くなった時に下の人達を教えるのは強くなった人の義務と言えるでしょう。
自分を強くしてくれた囲碁界への恩返しと考える事もできますね。
この考えはある棋書で書いていたのですが、自分のお気に入りの言葉です。
私も下手に教えを請われたら、可能な限りそれに応える姿勢です。