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「風と刻(下)」~名作詰碁と戦時中の囲碁界

投稿日:2017年7月15日 更新日:

名作詰碁の宝庫

こんにちは!!
今回紹介するのは、松籟社【出版】、橋本宇太郎【著】
「風と刻(下)」です。

のシリーズになります。
他シリーズ同様に、詰碁と橋本プロの人生記が主な内容になっております。
本書の人生記では、かの有名な「原爆下の本因坊戦」もあります。
本因坊戦第2局の最中で、三日間かけて行われた中の最終日(昭和20年8月6日)の様子です。

以下一部を引用

前日までの手順を並べ始めたとたん、ピカッと光ってマグネシウムをたいたようになり、部屋が真っ白になった。
まずパッと光ってやがて広島市の上空に入道雲のようなものがムクムク持ち上がる。
それからしばらくして、ドーンという物音が部屋に突っ込んできて、ハッと気がついたら私は庭の芝生の上に突っ立っていた。
どうやって外に出たかは全然覚えていない。
いそいで部屋に引き返すと、瀬越先生は床の間の畳の上に茫然と座り込み、岩本さんは碁盤の上にうつ伏せになっていた。
部屋の中は何もかもふっ飛び、鴨居は落ち、窓ガラスもふっ飛んでいる。」

その後、何とか碁は打ち終え、橋本プロの白番5目勝ちになりました。

碁が終わったので、泊めていただいている瀬越先生のお宅へ帰ろうというので、津脇さん宅を出た時、ちょうど広島市内から帰ってくる人々に出会った。
まさにさんたんたる光景でとても見ているにしのびないお姿ばかりだ。ほとんどの人が黒こげである。」

文章は簡潔な書き方ですが、冷静に見るととんでもない場面ですね。
この前後も修羅場の連続で、当時は碁を打つことすら命がけでした。
現在のように安心して碁を打つ事ができる我々はとても恵まれていますね.

目次

  • Ⅰ:死の部
  • Ⅱ:コウの部
  • Ⅲ:生きの部

内容紹介

↑黒先の詰碁です。
実戦に登場してもおかしくないような形ですね。
読む場所は少ないのでしっかりと読み切りたいところです。

↑正解は黒1のホウリコミで、白2に黒3のコウとなります。


↑黒1(白2の一路下)に白2と取ってしまうと、黒3が好手で黒7まで白は死んでしまいます。
ちなみに初手のホウリコミを打たずに単に黒3から打つと白は生きてしまうことをご確認ください。

詰碁以外も楽しめる

詰碁はシンプルな形の問題が多く、アマが地力をつけるには有力な詰碁集です。
私は詰碁以上に人生記を読むのに力を入れていました(笑)
日本棋院と当時反対を押し切って独立した関西棋院との確執も必見です。
本書をの詰碁に取り組むには3段以上の棋力が欲しいところなのですが、人生記だけでも読む価値はあります。

まとめ

対象棋力:3段以上
評価:A

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