手筋本の最高傑作
こんにちは!!
今回紹介するのは、誠文堂新光社【出版】、呉清源・瀬越憲作【著】
「手筋事典 上巻」です。
手筋の勉強は詰碁の勉強とはまた少し違ったものになります。
詰碁を解くことはもちろん手筋の勉強にもなりますが、読みの力をつける意味も強いです。
また詰碁一つに複数の手筋が使われている事も少なくありません。
対して手筋の問題は読みの力を鍛えるというよりも、知識・感覚として手筋を習得することが主な目的です。
本書は私がこれまで見てきた手筋の本の中でも最高傑作といってもいいくらい、完成度の高い名著です。
呉清源・瀬越憲作の両プロが、古今のプロの打碁譜や各方面の碁書から選んだもの、当人の永年手合にできたものや指導碁で出てきた手筋をメモしておいたものから自作したもの等を集大成した本になります。
本書を集積するために十年余りに歳月を要していると書いており、相当な手間がかかっていますね。
上中下巻合わせた問題数は約1000問になり、質だけでなく量も半端ではありません。
目次
- ツケの問題
- ハサミツケの問題
- トビツケの問題
- ハナヅケの問題
- ツケコシの問題
- オキの手筋
手筋の種類ごとに分類しており、先に答えのヒントがわかっているという意味では問題として出題するには不適ですが、事典としては非常に使い勝手がいい構成です。
また問題は難易度の高い順にA・B・Cの三段階評価になっています。
問題図は前半のページにありますが、解答図は後半のページにまとめられていますので、慣れない人は苦労するかもしれません。
内容紹介
↑白先でツケの部の出題図となります。
当然Aの弱点を狙っていきます。
実戦に出てくる形ですが、見逃してしまう人も多いのではないでしょうか。
↑すぐに白1は黒4まで少し苦しい形ですね。
直接的な手段ではうまくいかないみたいですので、工夫が求められます。
↑白1のツケが次にAとBを見合いにした手筋となります。
黒2と受ければ今度こそ白3で黒Bが成立しないのが白1の効果です。
黒2で5と守れば白Aと連打してこれも大満足です。
↑黒2と抵抗してくるのがしぶといかもしれませんが、結局無理に終わります。
手筋の威力は凄まじいですね。
棋力向上に繋がる
手筋習得は棋力向上に直結します。
私はこの手筋事典上中下巻を何周か解きましたが、劇的に棋力が向上しました。
問題ごとに難易度が示してあるので、アマ初段ぐらいの人でも簡単な問題だけなら取り掛かることができます。
アマ高段やそれ以上を狙う人はすべての問題を何度も是非解いておきましょう。
まとめ
対象棋力:5段以上
評価:S