こんにちは!!
今回紹介するのは、棋苑図書【出版】、江鋳久・芮廼偉【著】
「世界の新定石 PARTⅡ」です。
星の両ガカリ定石は多くの複雑な変化があり、うろ覚えは禁物です。
私も何度もそれで痛い目に遭ってきました(笑)
両ガカリ定石に限った話ではないのですが、最近では部分のワカレだけじゃなく周辺の配石まで含めた評価が重要になっています。
本書は世界の新定石の中で、星の両ガカリ定石に限定して詳しく解説しています。
目次
- 第1型:強いほいにツケよ
- 第2型:大ゲイマは悪い
- 第3型:力自慢
- 第4型:押し上げ後の攻防Ⅰ
- 第5型:押し上げ後の攻防Ⅱ
- 第6型:押し上げ後の攻防Ⅲ
- 第7型:李昌鎬の新手
- 第8型:ツケ定石
- 第9型:格言はずれの攻防
- 第10型:コスミ型
- 第11型:ぶっかけ定石
- 第12型:手抜きが好判断
- 第13型:二間高ガカリの攻防
- 第14型:大高目定石
- 第15型:有力なアテツギ
内容紹介
- 第1型:白がミニ中国流を妨害した時の局面で両ガカリは出てきています。
この場合は白1のほうにツケるのが一般的で、その後の黒の応手を詳しく解説しています。
序盤から戦いになる進行ですので、事前準備の研究は非常に重要でしょう。 - 第9型:白1と左にツケるのはあまり打たれません。
なぜ打たれないのか、黒はどう対応すれば良いのか等を中心に、いくつかの変化を詳しく解説されています。 - 第10型:白1とコスむのは簡明で、先手を取って右下に先着する意図です。
ここでは右下の攻防まで取り上げています。
ちなみにこのコスミは2019年現在では白が甘すぎるためほとんど打たれなくなり、もはや定石と呼べる代物ですらなくなりつつあります。 - 第13型:右下が二間高ガカリの時は白5が厳しくなっており、ここでは両ガカリではなく白5の後の攻防を解説しています。
二間高ガカリからの定石は非常に難解で、適当に打つと潰れかねません。
即戦力になる内容
どの型もすぐに実戦に出てくるようなものばかりで、即戦力になる内容です。
星の両ガカリでは片方がはっきりと悪くなる変化も多く、しっかり研究しておかないと痛い目に遭う可能性が高いです。
昔は両ガカリをされた側は良くないということで、相手のカカリにはなにかしら受けることがほとんどでした。
ところが最近ではその考え方も変わり、両ガカリされても問題ないという流れになってきました。
その影響でプロアマ問わず、両ガカリが出現する機会が多くなったのです。
両ガカリに特化した棋書は珍しく、その意味でも本書は非常にありがたい存在です。
まとめ
対象棋力:3段以上
評価:A