基本手筋を学べる詰碁集
こんにちは!!
今回紹介するのは、池田書店【出版】、呉清源【著】
「呉清源の詰碁集 ①初級編」です。
どうしたら囲碁が強くなるかというのはアマの永遠の課題です。
いや、プロでも知りたい人は多いでしょう。
本書のはしがきより、そのような質問をされたら呉清源プロは「まず石の死活の勉強です。」と答えると書かれています。
どんなに布石がうまくても、どんなにヨセが巧妙でも、大事な場面で、大石が頓死したのでは、その碁はそれででおしまいです。
よって碁の修行には、詰碁の勉強が第一だと呉清源プロは確信しているそうです。
まあわかってはいますが詰碁を解くのはキツイですよね。
しかしその苦しみを乗り越えた先に求めるものがあります。
本書はアマ初段を目標にしている人を対象とした詰碁集となります。
目次
- Ⅰ:無条件の部
- Ⅱ:コウの部
- Ⅲ:ノーヒントの部
- Ⅳ:特選10題の部
- Ⅴ:詰碁の考え方の部
全部で98題収録されています。
内容紹介
↑黒先白死の問題です。
よくある基本詰碁で、三々定石から派生する形となります。
実戦では白は生きていると諦めてしまう人もいるかもしれませんね。
↑初手は黒1で、逆にここを白に打たれたらすぐに生きられる急所です。
白2に対して黒3が手筋で、これさえ閃けばもうこの詰碁はほぼ解けたようなものです。
次に黒Aからカケ目にする手を狙っています。
↑白1と黒2子を取れば、さらに黒2と同じ手筋!!
この手まで頭で読むことができれば有段者の力ありと言えます。
この手筋は詰碁の問題に頻出するので、覚えておきましょう。
実戦にも普通に出てきますしね。
↑最終の形はこうなります。
白は二眼を作ることができません。
眼形の厚そうな白石でしたが、急所からの手筋によって一気に召し捕られてしまいました。
それなりの難易度
初段を目標にしている人が対象と本書には書かれていますが、それなりの難易度です。
私の見たところ、アマ初段を目指す人(=級位者)が取り掛かる詰碁としては少々難しいかなという感想ですね。
というか並のアマ5・6段クラスでも手こずるかもしれません。
もちろん基本詰碁という分類ではあり、私が好きな実戦形であるのでオススメできる良書ではあります。
呉清源詰碁は良書・名著が多いことでも有名です。
本書も詰碁の質は申し分ないですが、上記の理由より本書の詰碁を解くにはアマ有段者の棋力が必要かなと思います。
まとめ
対象棋力:3段以上
評価:A